材料科学科が社会で活躍する卒業生によるリレー授業「材料科学特別講義1」を開講しています

工学部材料科学科では、社会で活躍する卒業生によるリレー授業「材料科学特別講義1」を開講しています。2年次生を主な対象とするこの授業は、材料科学やものづくりの現場で活躍している卒業生の講演を通して、大学で学ぶ「材料科学」が実社会でどのように活用されているのかを知るとともに、専門分野の知識を社会で生かすために必要なスキルを身につけ、学生一人ひとりに自らの将来像を考えるきっかけにしてもらおうと春セメスターに開講しているものです。

7月5日には、古川テクノマテリアル特殊金属事業部の山下史祥さん(大学院工学研究科金属材料工学専攻1995年度修了)が講義しました。最初に東海大に進学した理由や学生時代の思い出、同社に入社した経緯、会社の概要などを紹介。ニッケルの持つ電気特性や機能特性を利用した金属製品というニッチな分野に主力を置いて収益を上げていることなどを説明しました。その後、さまざまな国に販路を広げるために海外を飛び回った経験をもとに、「企業では、工学部卒業生といえども技術開発以外の仕事を担うことが多くなります。その時に必要になるのは、さまざまな課題に対して自ら考え、能動的に動くことです。また、人脈は財産になります。幅広い年齢や国籍の人と接する機会を大切にしてください」とアドバイスしました。最後に、現在取り組んでいる、金属材料を作る際に生じる酸化物や硫化物などの非金属介在物の研究について解説。安全で信頼性の高い材料が求められる中、介在物の起源を解明すべく進めている現状に触れつつ、「エンジニアには2つから3つの視点を持ちながら一つの課題を考える視点が必要です。大学の授業で、課題にアプローチするための調べ方をしっかり身につけてほしい」と語りました。

学生たちは、「この授業ではそれぞれの企業の仕事内容や、先輩方の役割について直接聞くことができるので、将来に向けた具体的なイメージを持ちやすいと感じています」「授業で学ぶ内容が社会で生かされていることが理解できるので、日々の授業へのモチベーションにもつながっています。また、会社に入ってからも新しい分野を学び続ける必要があることを知るなど、社会人像を具体的に描く手助けにもなりました」と話していました。

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