第2回東海大学ヨーロッパ学術センター50周年記念QOLセミナーをオンラインで開催しました

東海大学では11月13日に、第2回東海大学ヨーロッパ学術センターQOLセミナー「デンマークと日本のQOLと幸福感 -社会の中で感じる「幸福」の本質-」をオンラインで開催しました。本セミナーは、日本とヨーロッパ諸国との学術・文化交流の促進を目的として1970年にデンマーク・コペンハーゲンに開設したヨーロッパ学術センターの50周年を記念したものです。また、本学は日本で唯一、北欧の社会、歴史、文化、言語を研究と教育の対象とする「文化社会学部北欧学科」を有しており、50年以上北欧研究の先端を切り拓いてきました。セミナーの実施はこれまでの成果を広く社会に還元し、よりよい国際社会づくりに貢献することを目的としています。今年度中に計4回の開催を予定しており、第2回となった今回はWEBビデオ会議システム「Zoom」を使い、本学副学長(国際担当)・ヨーロッパ学術センター所長の吉川直人教授、デンマーク在住イギリス人ジャーナリストのマイケル・ブース氏、南デンマーク大学のソーレン・ハーノウ・クラウセン教授が講演。約150名が聴講しました。

ヨーロッパ学術センターのヤコブ・イエンセン副所長による進行のもと、初めに本学の内田晴久副学長(企画調整担当・大学運営本部長)があいさつ。「QOL向上や幸福に関する本セミナーを通して、参加された皆さんの幸せと健康につながることを期待しています」と語りました。続いて、吉川教授が「北欧諸国と日本の”幸せ”」と題して、国連が発表している「世界幸福度報告書」に基づくランキングについて紹介。上位を北欧諸国が占める中、62位にとどまっている日本との違いを働き方や経済など多様な視点から比較しました。続いて、デンマークをはじめアイスランド、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンの北欧5カ国について自らの体験や文化、社会状況などをまとめたノンフィクション『The Almost Nearly Perfect People』などの著作で知られるブース氏が、「デンマークの”幸福”の真実 ~逆説的に見る日本の現状~」をテーマに、南デンマーク大学文化研究学部で教鞭を執るクラウセン教授は「幸福という概念について:デンマークで幸福度が高い理由を社会的、実存的、方法論的観点から紐解く」をテーマに、それぞれ自らの専門や独自の視点からデンマーク人の幸福度が高い理由や日本との違いについて論じました。

各講演の合間には聴取者から寄せられた質問をイエンセン副所長が登壇者に投げかけ、熱心な質疑応答が繰り広げられました。閉会にあたって辻中豊副学長(文系担当)が登壇し、「各講演を通じて日本と北欧諸国との幸福度における違いを再認識することができ、素晴らしい学びの機会となりました」とまとめました。