健康学部健康マネジメント学科では10月22日に、湘南キャンパス6号館とオンラインで「2021年度相談援助実習報告会」を実施しました。社会福祉士の国家資格取得を目指す3年次生34名が、8月から9月にかけて23日から24日間、児童相談所や病院、福祉事務所、社会福祉協議会、高齢者施設や障害者施設などでの現場実習を体験しました。22日の報告会では来年度実習予定の2年次生や教員を前にその成果を8分間で発表し、質疑応答も実施。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため4教室に会場を分け、実習先の指導者らはオンラインで参加しました。
児童相談所で実習した学生は、療育手帳再判定の保護者面接や児童の一時保護、被害確認面接にも同席し、「児童相談所は児童虐待に関する案件を多く扱っていると思っていましたが、現場に出て、子育てに関するさまざまな相談を受けていることを知りました。親子関係を再構築するためには長い時間をかけて向き合う必要があり、子どもだけでなく保護者と一緒に“子どもにとって何が幸せか”を考えることが大切さだと感じました」と振り返りました。養護老人ホームで生活相談員の実習をした留学生は、「利用者の方と最初は何を話していいかわからなかったのですが、『出身はどちらですか?』『何が有名ですか?』と答えやすい内容を多く問いかけるようにしたことで、自然と趣味の話や経験談を話してくれるようになりました。編み物や折り紙が得意な人には『私にも教えてください』と話しかけ、暗かった表情が明るくなったときはうれしかった」とコメント。病院で実習した学生は、「ソーシャルワーカー一人ひとりが“患者のことを知りたい、一緒に考えるために教えてほしい”という誠意を持つことが大前提。多方面から想像をふくらませる難しさにこそ面白さがあり、マイナスなことも別の角度から見るとプラスに捉えることができると学びました」と語りました。
指導に当たった阿部正昭教授は、「社会福祉士の資格取得には、現場に出て、専門職の能力を磨く実習が欠かせません。報告会に向けて現場で何を見て、何が大切だったのかを振り返ることで、学びを再構築することもできたと感じています。大学と学生、実際の現場で活躍する専門職が連携し、報告会にも参加してもらうことで、大学の教育内容を伝えるとともに、現場で求められる人材像をあらためて知ることもできました。今後も連携体制を築き、実践知を習得した学生を育てていきたい」と話しています。
なお、29日にも同様の報告会を予定しています。