医学部医学科の中島功教授(外科学系救命救急医学)が、5月7日から1週間にわたってスイス・ジュネーブで開催された国際電気通信連合(ITU)の総会に出席。開発途上国での通信による遠隔医療支援の推進などに取り組む「eヘルス部会」の議長に再任されました。中島教授は2014年に通信関連以外の専門家である医師として初めて議長に就任し、今回で2期目となります。
ITUは、有線・無線の電気通信の利用に係る国際的秩序の形成を目指す国連の専門機関です。放送や衛星通信で使用される電波の国際的な分配・調整をはじめ、電話やファクシミリ、移動体通信といった電気通信の世界的な標準化の促進、開発途上国に対する技術援助の促進などを目的に活動しています。「eヘルス部会」では、通信を用いた医療支援やクラウド上に展開する人工知能を用いたセカンドオピニオンとしての診断、電子通貨による医療費の支払いなど、多岐にわたる課題について審議されます。
今総会では、本学から鳥インフルエンザ対策(感染した鳥を特定し、感染時期を推測するために必要な通信プロトコールや周波数資源の周知)についても提案。多くの出席者の賛同を得てITUの無線部門にリエイゾンステートメント(連絡陳述書)として提出され、新たな知見としてITUのメンバー国に周知されることとなりました。
中島教授は、「eヘルス部会で採択された宣言文は、世界保健機関(WHO)の政策に影響を与えるなど、さまざまな実績を上げています。今後も同部会の活動を通じて世界の保健医療の充実に貢献していきたい」と意欲を見せています。