高齢者ケア・看護クオリティマネジメント研究会が第4回講演会を開催しました

大学院健康科学研究科「高齢者ケア・看護クオリティマネジメント研究会」では、12月25日に伊勢原キャンパスで第4回講演会を開催しました。医療・看護・介護に関するケアの質向上を目指し、臨床現場で得た知識やマネジメント手法、最新の研究成果などを共有しようと実施しているものです。今回は、東京慈恵会医科大学葛飾医療センター看護部長の玉上淳子氏が「医療事故以後の慈恵会医科大学付属病院の取り組み~病院組織として、看護部として~」をテーマに講演。近隣の医療機関の医療安全管理者や医学部付属病院の看護職者ら約70名が聴講しました。

講演に先立ち、医学部看護学科の手島芳江講師が登壇。本研究会の目的や講演会の趣旨について紹介しました。続いて登壇した玉上氏は、東京慈恵会医科大学付属病院で発生した医療事故の原因やその後の対応について説明。適切な治療法の選択や多職種連携による安全管理体制の強化といった医療事故防止策の実践、信頼を回復するための地域住民への説明会などの取り組みについて語りました。さらに、モチベーションが低下した職員に“楽しく働く”意識を持たせるための、「フィッシュ哲学」の手法を用いたスタッフ教育や、患者の入院前から退院まで看護師がかかわるPMF(patient flow management)システムの導入による看護部の経営参画についても説明し、「患者さんの安全のため、個人の気づきをチームの結果につなげることが今後の目標です。病院全体が“One team”として、一丸となって努力していきます」と結びました。

最後に本研究会代表を務める医学部看護学科の真下綾子准教授が、「研究会を通してさらなる患者安全を目指すとともに、より質の高い看護の実践を提供して社会に貢献したい」と述べました。

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