
伊勢原キャンパスの教職員が6月11日に、付属市原望洋高校の「特別理科講座(BSSP)」に協力しました。この講座は、生徒たちが興味や視野を広げ、自分の可能性を発見して将来に生かすことを目的に展開されている同校独自の理科教育プログラムです。今回は、「最先端医学と医療の実際~三次救急とチーム医療の現場から学ぶ~」がテーマで、スーパー特進コースの1、2年生約50名が来訪。医学部の教員による講義や研究施設の見学などを通じて、大学病院の役割や最新の医学研究について学びました。
前半は、医学部の教員4名が講義。初めに、医学科の秦野伸二教授(本学副学長=研究担当)が、生命の誕生と死、科学と宗教、身体と魂といった多様な視点から医学と医療の違いを説明し、「科学は万能ではなく、医学・医療に携わる者は、解決できない問題があることを常に意識することが大切です」と語りました。続いて、同学科の山本理恵講師(救命救急医学領域)が、地域の三次救急を担う基幹病院として昼夜を問わず重症患者の診療に当たる医学部付属病院高度救命救急センターの活動を紹介。看護学科の井上玲子教授は、医師や看護師をはじめ、薬剤師や臨床工学技士、栄養士、ソーシャルワーカーといった多職種が連携したチーム医療について説明しました。最後に、医学科の檜山明彦准教授(整形外科学領域)が、AIやナビゲーションシステム、ロボットなどを用いた最先端の手術を紹介し、「医学はもちろん、数学やプログラミング、英語、コミュニケーションなどの力を身に付け、共に未来の医療をつくりましょう」と呼びかけました。



後半は、研究イノベーションセンター生命科学統合支援室の技術職員が研究施設を案内し、実験機器の特徴や活用法を説明しました。生徒たちは、AIを使ったタンパク質の立体構造予測を体験し、創薬やワクチン開発への有用性について学習。また、走査型電子顕微鏡と透過型電子顕微鏡の特徴や違いを学び、臓器や昆虫の一部分の拡大画像を確認しました。さらに、生体組織の構造や成分の分布などを調べるための標本作製技術を体験したほか、1秒間に数千個の細胞の特性を解析できる装置「フローサイトメーター」のデモンストレーションも見学しました。終了後はグループごとに学びの成果を発表し、最後に秦野教授が講評しました。
生徒たちは、「医学や医療は多くの専門家の協力と高度な研究技術によって支えられていることを学びました。今後の学習や進路選択に生かしていきます」「AIによるタンパク質の構造予測やフローサイトメーターがどのように医療に活用されているかが分かり、先端技術に興味が湧きました」「チーム医療における看護師の役割を知り、看護師になりたいという気持ちが強くなりました。さらに勉強を頑張りたい」と話していました。





