政治経済学部主催講演会「日本の伝統を次世代につなぐ」を開催しました

政治経済学部では12月22日にオンラインで、政治経済学部主催講演会「日本の伝統を次世代につなぐ~個と社会のウェルビーイング実現のために」を開催しました。株式会社和える代表取締役の矢島里佳氏を講師に招き、矢島氏のこれまでの取り組みや日本の伝統文化・産業の魅力、今後の展開などについて講演していただきました。

当日は、WEBビデオ会議システム「Zoom」のウェビナーを使用し、学生や教員を中心に一般参加も含めて約100名が聴講しました。講演では、矢島氏が初めに幼少期から「株式会社和える」を起業するまでの軌跡や伝統産業の魅力について話し、「小学生のころに“伝えること”に強い魅力を感じてジャーナリストを目指し、大学では大手旅行代理店JTBの会報誌でフリーライターとして日本の伝統や産業の情報発信を行っていました。取材の中で職人と伝統の魅力に惹かれ、大学4年生の時に“日本の伝統を私たちの暮らしの中で活かし、次世代につなぐことができれば”という思いから、株式会社和えるを立ち上げました」と説明しました。続いて、生まれたときから大人になっても使える日本の伝統産業を生かしたオリジナルの日用品“0歳からの伝統ブランドaeru”や“aeru school”をはじめとした伝統を次世代につなぐ仕組みづくりなど、幅広い事業展開の着想や想いを解説。また、社員が自発的に仕事を行える環境や自己申告制の給料形態など、和えるならではの働き方を紹介しました。

講演後には、矢島氏と本学部経営学科のアルマズヤッド・オスマン講師が対談。「日本のファミリービジネスが抱える事業承継問題とその解決策はどのように考えていますか?」というオスマン講師の質問に、矢島氏は「既存のものを受け継いでいくには、その会社の文化や背景をしっかりと理解することが大切です。」と答えました。また、「文化をどのように引き継いでいくべきでしょうか?」という質問に対しては、「文化は座学による学びだけではなく、実践的な体験から得られるものが多くあると思います。文化を日常化することで触れる機会が増えて需要が高まり、引き継いでいくことができるのではないかと考えます」と答えました。加えて、経営者として「合理的・論理的」な思考に囚われない「直感」や「心を大切する経営の重要性」について語りました。また、講演会に参加した経営学科の1年次生の太田輝哉さんは、「講演を聞いて自分の考え方が変わりました。自分の直感や心を信じることも大切だと話されていたので、これからは論理的に考えるだけでなく直感も信じてみたいと思いました。やってみないと自分がどんな可能性や才能を持っているかわからない、という言葉が一番心に残りました」と企業家精神についての学びの実感を述べました。ほかにも伝統産業が抱える問題や事業継承の方法などについて議論を展開し、最後にチャット機能を用いた質疑応答を行い、「少子化による市場規模の縮小」「ウェルビーイングの考えを取り入れたタイミング」など学生をはじめとした参加者から多くの質問が寄せられました。