経済学科の高橋教授のゼミが「令和4年度証券研究学生団体助成」に採択されました

政治経済学部経済学科の高橋塁教授のゼミがこのほど、公益財団法人石井記念証券研究振興財団の「令和4年度証券研究学生団体助成」に採択されました。この助成金は、大学内で金融・証券に関する研究調査を行う学生団体を財政的に支援することで、活動の振興を図るとともに、日本の金融・証券市場の一層の発展に寄与することを目的としています。

高橋ゼミの研究テーマは「発展途上国農村の貧困と開発金融の役割―金融政策、フォーマル金融、インフォーマル金融の役割を学ぶ―」です。発展途上国農村では、貧困層が事業を起こすために借り入れしようとしても担保にできるものがありません。一方、貸し出す側もリスクが高い相手に担保もなく融資はできず、高い利子率にすると初めから踏み倒そうとする借り手ばかりが集まる危険性があります。そのため、銀行などのフォーマル金融が事業を展開することは難しく、親類からの借り入れや頼母子講(講に参加したメンバーが各自の資金を定期ないし不定期に講にプールし、くじなどで決めた順番でメンバーが講にプールされた資金を利用するというもの)など伝統的な制度や慣習が発展途上国農村には根強く残っています。春学期から秋学期のはじめにかけては、高橋教授が専門とするベトナムを例に取り上げながら、講義やディスカッションを通して、農村開発、農村金融のトピックを含む開発経済学の基礎理論について理解を深めています。今後は3年次生19名が3~4名のグループに分かれて文献調査やデータ解析に取り組んでリポートや研究論文を執筆します。

ゼミ長の石沢蓮さん(3年次生)は、「これまで学んできたことを生かして研究を進めていきたいと考えています。日本国内でも首都圏と地方ではメガバンクの数など異なることが多いので、そのあたりも調べて日本と海外の比較もしていきたい」と話します。高橋教授は、「途上国の農村経済を理解するうえで大事なのは、最初から自分の価値観を当てはめるのではなく、“なぜそうなるのか”と常に探究の心を持つことです。学生たちには理論を理解したうえでデータを見て、人々がなぜそういった行動を取るのかを考えてほしい。今回学生たちが研究した成果は論文コンテストへの応募など何らかの形にしたい」と話しています。

なお、同助成金には経営学部経営学科久田祥子教授のゼミも採択されています。