教育研究上の目的・人材像

近年の生化学や分子生物学の急速な進歩により、生物の特性、生体成分の構造と新しい機能、ならびに食品がもつ有効かつ複雑な生理的機能などについて、分子レベル、細胞レベル、組織レベルおよび個体レベルで次々と解明されてきています。したがって、食料生産を使命とする農学部においては、化学的および物理的視野に立って生物(動物、植物および微生物)やその生産物の特質を明らかにし、よりすぐれた生物機能や食品特性を食物に付与するための基礎から応用までを担う教育・研究分野が重要な位置を占めるようになってきました。このような情勢から、本学科では、有機化学、生化学、分子生物学、食品科学、ならびに微生物学の各分野について理解すると共に、それらの内容を総合的に応用できる能力を育成することを基本的な教育方針とし、身に付けた総合的能力を実社会で活用できる人材の養成を目指しています。

バイオサイエンス学科が養成しようとする人材

本学科では、今後、農学部が取り組むべき健康と食品に関する新たな分野の技術者ならびに化学・物理的視野を身につけた生物系技術者やバイオ関連分野の総合的な専門知識と技術を修得した人材の育成を図っています。具体的には、生物生産や生物機能を活用する生産関連産業、食品産業、医薬関連産業およびそれらに関連した研究・開発、検査・分析などの分野で実践的に活躍できる人材の養成を目指しています。

本学科の教育目標を達成するための教育の特色およびカリキュラム構成の特徴は、以下の通りです。

本学科の教育の特色

本学科では、人類と地球の豊かで健康的な未来を実現するという大きなテーマをもとに、「食料生産へのバイオテクノロジーの利用」、「遺伝子やタンパク質の構造と機能の解析」、「食品や医薬品製造へのバイオテクノロジーの利用」という3つのサブテーマを設け、特に5つの分野、「遺伝子分野」、「タンパク質分野」、「機能性食品分野」、「生物活性物質分野」ならびに「微生物分野」を担当する教員が相互に連携しながら、21世紀の人類の健康的な生活をめざした教育にとり組んでいます。

また、これらの教育は、主として生物生産を担当する応用植物科学科や応用動物科学科の教育との連携を図ることにより、生物生産から食品へ、食品から人類の健康へといった教育の流れを構築することができます。

カリキュラム構成の特徴

本学科では、まず現代文明論科目、現代教養科目、英語コミュニケーション科目、学部共通科目などの全学的教育に加え、主要な専門科目への導入となる「生物学」、「化学」、「生体物質の化学」、「微生物の生態と分類」、「生化学」、「食の科学」、「応用微生物学」、「有機化学」、「遺伝子工学入門」、「分析化学」および「食品バイオテクノロジー」の基礎的な専門科目を配置し、基礎科目と基幹的な専門科目との橋渡し的機能を持たせ、専門性の高い科目がより理解しやすくなるように配慮しています。

次に、本学科を構成する「機能性食品分野」、「遺伝子分野」、「タンパク質分野」、「生物活性物質分野」、「微生物分野」の5つの専門分野の基幹的な専門科目である「食品学」、「食品機能科学」、「食品加工学」、「食品衛生学」、「分子遺伝学」、「代謝化学」、「タンパク質化学」、「天然物化学」、「発酵化学」、「発酵醸造学」ならびに「植物病原微生物学」を配置すると共に、専門科目で学んだ原理・理論を実際に体験する「バイオサイエンス基礎実験1・2」および「バイオインフォマティック演習」を設けて理論系と実践系の融合を図っています。

その後、最終年次に履修する「卒業研究1・2」に結びつくように、より専門性を高めた「バイオサイエンス実験1・2」と「バイオサイエンス演習」を配置すると共に、本学科の応用的側面の一つである食品加工について付属施設である農学教育実習場(農産加工場)で実体験する「食品加工基礎実習」と「食品加工実習」を設けています。また、学科での教育・研究を実際の社会と結びつける科目として「工場見学」と「インターンシップ」を配置しています。

なお、農学・環境系の幅広い知識を身に付けることができるように、他学科での開講科目を履修しやすいように配慮しています。

また、所定の随意科目の単位を修得することで「中学校教諭1種免許(理科)」と「高等学校教諭1種免許(理科)」を取得できる他、卒業要件単位科目の中から食品衛生コース指定科目の単位を修得することで「食品衛生管理者任用資格」および「食品衛生監視員任用資格」が取得できるようにしています。

さらに、(社)日本食品安全協会の認定を受けている科目の単位を修得することで「健康食品管理士」認定試験の受験資格が得られるようにしています。

バイオサイエンス学科へ戻る