工学部公開講座/第9回原子力専門講座を開催しました

工学部原子力工学科では7月18日に湘南キャンパスで、工学部公開講座/第9回原子力専門講座「低線量率の放射線リスク評価と放射線防護」を行いました。専門家による講演を通して原子力工学にかかわる研究や技術開発に触れるとともに、専門家同士の意見交換に参加することで、今後の学習や研究に役立ててもらおうと毎年行っているものです。本講座は一般財団法人産業人材研修センターから原子力人材育成に関する寄付金による援助も受けています。今回は一般財団法人電力中央研究所原子力技術研究所放射線安全研究センター長の岩崎利泰氏を講師に招き、67名の学生や教員が参加しました。

講義では、放射線の影響を生物学的な観点から解き明かす最新研究を紹介。疫学調査や、照射する放射線量と時間の関係を表す線量率効果について、実験環境や条件の差違を含めて解説し、自然の中で発生している放射線の影響に関するこれまでの研究成果や今後の課題について語りました。講義終了後には意見交換も実施。最後に岩崎さんは、「現在でもさまざまな視点からの研究を続けており、解明すべきことも多い。今日の講義でも、学生の皆さんとの議論を通して気づかされた部分や、新しい視点を得ることができました」と講義を締めくくりました。

参加した学生からは、「実際に研究者として働いている人の説明を聞けて、これからの学習・研究のモチベーションになりました。高度な内容もありましたが、最新の研究動向をうかがえたことが大きな収穫です」、「原子力の分野の中でも、これまで学んだ内容とは少し違った視点からの研究についての講義だったので大変興味深かった。原子力工学にかかわる分野の幅広さを実感する機会になりました。今日学んだことにこれから取り組み、自分の実験にも参考にしたい」といった感想がありました。

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