大学院生が情報処理学会CN研究会からベストプレゼンテーション賞を受賞!

コラボレーションとネットワークサービス研究会(CN研究会)では、優秀な論文・発表に対し表彰する制度を設けており、大学院 情報通信学研究科の岩撫映見さん(1年次生=2023年度受賞当時)がベストプレゼンテーション賞を受賞しました。

CN研究会は情報処理学会に属する研究会の一つであり、グループウェア技術に関して理論から応用まで、また情報科学から社会科学まで幅広い学際的研究活動を行う研究会です。

受賞した岩撫さんの研究は、現在出版されている女性ファッション誌を対象とし、各ファッション誌ではどのような読者コミュニティが形成されているのかを明らかにした研究です。近年、Social Networking Service(SNS)の普及により、多くの人がSNSを通じて情報収集を行うようになりました。それに伴い、SNS上では多くの消費者コミュニティが形成されており、このような情報はマーケティング活動を行う多くの企業で重宝されています。そこで、需要が減少傾向にあるファッション雑誌分野に焦点を当て、研究に取り組みました。本研究では、X(旧Twitter)より対象とする女性ファッション誌の公式アカウントをフォローするユーザ情報を収集し、分析を行いました。具体的にはフォロー・フォロワーの関係をネットワーク上に可視化し、ネットワーク上に存在するユーザをコミュニティ単位に分割することで、ファッション誌ごとに存在するユーザの興味・関心に応じたコミュニティの抽出を行いました。この研究を通じて、あるファッション誌では特定の芸能人を支持するユーザが読者コミュニティ内に存在する一方、別のファッション誌では美容やコスメに関心の高いサブコミュニティが抽出されるなど、各女性ファッション誌に応じて存在する読者の特徴に差があることが明らかになりました。

岩撫さんは、「今回の研究活動を進める中で、時には思い通りの結果が出ないなどの苦難もありましたが、大竹先生のご指導の下で良い研究を行うことができたと考えています。また、コロナ禍が緩和されたことにより、対面での発表は初めてでしたが貴重な経験となりました。今回頂いた賞を自信にして、今後の研究活動も積極的に取り組んでいきたいと思います」と語りました。

指導教員を務めていた大竹恒平先生は、「岩撫さんは、学部時代から様々な企業・自治体との共同研究に積極的に参加し、大学院でも向上心をもって研究に取り組んでいます。今回の受賞は、岩撫さんが努力し、経験を重ねて成長した結果であり、指導教員としてとても嬉しく思います」と受賞の喜びを話しました。