【続報】学園の創立者・松前重義の野球殿堂入り ~スポーツによる国際交流の足跡と平和への思い~

学校法人東海大学の創立者・松前重義がこのほど、「2022年野球殿堂入り」(特別表彰)に選出されました。公益財団法人野球殿堂博物館が日本の野球の発展に大きく貢献した方々の功績を永久に称え、顕彰するものです。
1月14日にはオンラインで「野球殿堂入り通知式」が開かれ、本学から山田清志学長が出席し、野球殿堂博物館の斉藤惇理事長から野球殿堂入り通知書を授与されました。また、本学体育学部客員教授で読売ジャイアンツの原辰徳監督(2018年野球殿堂入り)より、祝辞をいただきました。

1989年9月1日、モスクワ大学松前記念スタジアムにて日ソ米中4カ国の学生野球大会の始球式

松前重義の野球殿堂入りの背景ともなった足跡を改めて振り返ります。
松前重義は、東西冷戦時にも日本対外文化協会を設立するなどさまざまなチャネルを通じて、学術・文化・スポーツを通じた民間外交に努め、相互理解の促進に邁進しました。その具体例の一つが、野球のオリンピック正式種目採用を目指した、ソビエト連邦・東欧諸国への民間外交の展開です。ロサンゼルス五輪におけるソ連のボイコットで東西対立の緊張が高まる中にあって、1989年にソ連・モスクワ大学の敷地内に野球場(松前記念スタジアム)を建設・贈呈し、国際的な野球の普及とスポーツを通じた国際交流を推し進めました。また、東海大学野球部が中心となり選手の育成や指導者交流にも取り組むなど、野球の国際化に尽力。これらの活動を背景として、野球は1992年のバルセロナ五輪で正式種目となりました。

1969年6月15日全日本大学選手権初優勝(vs明治大)

また、松前重義は大学野球の振興にも注力。全日本大学野球選手権大会の出場校を大幅に広げたいという意向から、1964年に本学をはじめ、日本体育大学、明治学院大学、成城大学、武蔵大学、東京経済大学、東京教育大学(現・筑波大学)の7大学が加盟して首都大学野球連盟を設立。現在は計16大学が参加し、2部制でのリーグ戦が実施されています。高校野球の振興にも携わり、学園の付属高校(提携校含む)14校のうち、これまでに12校が甲子園(夏の全国大会または春の選抜大会)に出場しています。松前重義自身は、1971年から91年8月の逝去まで20年間にわたり日本高校野球連盟最高顧問を務めました。

こうした松前重義の取り組みの根底にあったのは、スポーツを通じて世界の平和と友情をはぐくむ、という平和への強い思いでした。

松前重義の平和への思い、そして、それを体現するスポーツによる国際交流について、詳細は『東海大学のスポーツによる国際交流』(2019年3月作成)をご覧ください。

『東海大学のスポーツによる国際交流』(2019年3月作成)
※2022年度野球殿堂入り通知式の模様(公益財団法人野球殿堂博物館公式YouTube)