「環境と健康C」の授業で南極料理人の渡貫氏による講義を実施しました

健康学部健康マネジメント学科では5月23日と30日の「環境と健康C」の授業で、第57次南極地域観測隊に調理隊員として参加した渡貫淳子氏による講義を実施しました。この授業は、健康社会の創設に向けて人々を取り巻く環境が体に与える影響などを幅広く学ぶことを目的としており、今学期は25名の学生が履修しています。

渡貫氏は、初めて南極観測隊として派遣された女性の話を知って自分もやってみたいと思い、2度の落選を経て2015年12月から17年3月まで派遣された経緯を説明。南極という限られた環境の中で生活するとどのようなストレスがかかるのか、ストレスチェックの結果を提示しながら解説しました。また、2名の料理人が1日交代で30名分の料理を作るという現地での生活を紹介し、「1日に使える水は5000Lですが、例えばおでんの残り汁を捨てるには1000Lの水で薄めなくてはいけません。食材も限られていますから、残り汁をカレーにアレンジするなど最後の最後まですべて大切に使いました」と語りました。「キャベツとさつまいもは腐りやすく、玉ねぎと長芋は1年間保存がききます」と説明すると教室からは驚きの声が上がり、「南極ではたとえ腐りかけている食材でも無駄にはできません。日本に帰ってきてスーパーなどで野菜の外側の葉などが捨てられているのを見ると、とても悲しい気持ちになりました」とコメント。隊員が気持ちよく生活できるように、正月のおせちを用意したり、お花見をしたり、流しそうめんを作ったりと、季節ごとの行事も大切にしていたことも紹介しました。

学生たちは、「女性で、家庭もあって、子どももいるという状況でも、自分の夢をかなえるために挑戦すると決めた決断力がすごいと思いました」「腐った野菜の写真や余った汁でつくったカレーの写真を見て驚きました」「自分も南極観測隊に参加してみたい」といった声が聞かれました。

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