デザイン学課程の学生たちが「第50回平和を考えるフォーラム」の看板とポスターを製作しました

教養学部芸術学科デザイン学課程の3年次生9名が、8月13、14、15日に秦野市文化会館で開かれた「第50回平和を考えるフォーラム」の平和パネル展「平和を愛する市民のまちをつくるために」(主催=はだの・平和都市宣言につどう会、秦野市)の看板と展示用ポスターを製作しました。この催しは、1986年に制定された秦野市平和都市宣言の理念実現に向け、市民の平和意識の風化を防ぐ目的で92年から毎年開催されています。今年の春、本課程に対して会場入り口に設置する看板の製作依頼が寄せられ、池村明生教授が担当する授業「デザイン連携プロジェクト」の一環として協力したもので、授業を履修する学生たちが「PEACE」をテーマに写真やイラストなどのポスターを製作し、会場内に展示コーナーが設けられました。

13日には、同授業を履修する小笠原咲さんと東原映さん、池村教授が会場を訪れ、はだの・平和都市宣言につどう会の高橋紀代子さんの案内でパネル展を鑑賞しました。会場入り口に設置された看板は、平和の象徴である鳩が飛び交う明るい出来栄えに。会場内には、学生たち一人ひとりが作ったポスターのほかに、太平洋戦争で出兵した人に実際に送られた千人針の手ぬぐいや旗、軍事郵便といった資料や、広島県と長崎県に投下された原子力爆弾の被害を表す写真や絵、パネルなどが展示され、高橋さんが各パートの詳細を説明。小笠原さんと東原さんも自身が製作したポスターのテーマやモチーフを高橋さんら会場スタッフに向けて解説しました。

小笠原さんは、高校時代に修学旅行で訪れた九州で現地の人に聞いた戦争の話を踏まえ、当時の特攻隊員が書いた詩を青空の写真に載せました。「私たちが青空を見て『きれいだな』と思えるのは、平和な日常を送り心に余裕があるからであり、死を覚悟して戦地に向かった特攻隊員の人たちは同じ気持ちではなかったと思います。今私たちが平和に暮らせていることへの感謝や、戦争で苦しんだ方たちが空を美しいと感じられるようになってほしいという思いを込めました」と意図を語ります。東原さんは、「思いやりがあふれる世界になれば平和が訪れるというテーマを表現しようと、温かみのある色合いでハートを散りばめました」と、ピンクとオレンジを基調としたイラストで平和の重要性を訴えかけました。

高橋さんは、「戦争を遠い存在とせず、身近に感じてもらえるよう若い人たちと接点を持ちたいと思い、学生の皆さんに協力してもらいました。想像していた何倍も素晴らしい作品で、一つひとつからエネルギーを感じます。フォーラムへの参加を機に、平和な社会を持続していくために私たちができることについて、少しずつ考えてみてもらえれば」とコメント。池村教授は、「市民団体と自治体が約30年も続けてこられた取り組みを学生にも知ってもらうとともに、平和の大切さを自分事として捉えてもらいたいと考え、今回の展示に協力しました。作品づくりを通じて、戦争の恐ろしさや平和のありがたさを身近に感じてもらいたい」と語っています。