情報通信学部

今村 誠

センサー× 人工知能により、
新たな価値を生み出す

研究概要

IoT×人工知能でワクワクする未来を切り開こう

 人(スマホ,ウエラブルなど)・電化製品・自動車・さらには、工場の製造装置にいたるまでモノに組み込まれたセンサーからデータを取得できるようになりました(IoT: Internet of Things)。そして、収集したデータから現実世界(フィジカル世界)の写し絵をコンピュータ上(サイバー世界)に再現し、人工知能を使って現実世界を最適化するサイバーフィジカルシステム(右図)は、製造・保守・交通・ヘルスケアなどあらゆる産業分野に革命をもたらすと注目されています(第四次産業革命)。

 この革命は、モノづくりが強みである日本に高い機能を提供する「モノづくり」から顧客にとっての価値を提供する「コトづくり」への転換をせまっています。この背景のもと、センサーで取得したデータから人工知能を用いて新たな価値を生み出す研究をしています。

「センサーデータを用いた機器・設備の予知保全に関する研究」

 工場・電力プラント・ビル設備などを構成する機器のセンサーデータから、機器の寿命を診断するための機械学習を研究しています。センサーデータなどの時系列特有のデータマイニングを深堀すると共に、企業との共同研究を通じた現場の要求やデータに即した実用的な研究をしています。この研究では、国際的な論文投稿により、世界レベルの研究を目指しています。

「センサーデータを用いた人間の行動解析に関する研究」

 人工知能は豊かで便利な暮らしをもたらしてくれるという期待がある一方、人の雇用を奪う、また、暴走して人間を支配するなどを懸念する意見もあります。そこで、画像・動画・音声・テキスト・加速度などのデータから、人間の動作や状態を読み取ることにより、人の気持ちや次の動作を推測して適応的な応答を生成したり、人の誤りや危険を察知しトラブルを未然に防止するなど、人に協力的で親しみのもてる人工知能システムを実現するための研究をしています。この研究では、学生が楽しんで学ぶと共に、ロボット・自律的な工場・監視や見守りシステムなど、人と共生する人工知能のあり方を考える機会を作ることを狙っています。