清水キャンパスではこのほど「多目的操船シミュレータ」を導入し、10月6日に教職員向け見学会を実施しました。秋学期から授業での利用も始まっています。このシミュレータは主に海洋学部航海工学科航海学専攻の授業「航海計器学実験」や卒業研究、オープンキャンパスなどで使用することを目的としており、清水港、東京湾全域(東京湾、横浜港含む)、東京港、明石海峡、備讃瀬戸、来島海峡、関門海峡、大洋(オープンシー)の航行が可能です。1画面60インチで全14画面に映し出される3D映像は、時間や天候、波の高さ、模擬他船、視点などを自由に変更でき、レーダーや無線、電子海図も一般の船舶と同じものを使用しています。シミュレータは2部屋に分けて設置しており、もう1部屋には小型のシミュレータとレーダー、無線を設け、教員と学生が両方の部屋に分かれて無線でやり取りしながら操作することが可能です。
6日の教職員向け見学会は午後0時からと4時30分からの2回実施し、はじめに本専攻の高嶋恭子准教授がシミュレータの概要などを説明。本専攻の学生が東京湾や明石海峡、清水港を航海するデモンストレーションを披露しました。参加した教職員も実際に船を操縦し、「雨が降ったり、夜景が見えたり、本当に船に乗っているようでした。授業では、実践前の準備段階としてとてもいい経験を積めると思います」「高校生や学外の方に向けても本学部ではどんなことを学べるのか知ってもらえるように活用したい」といった感想が聞かれました。
見学会の間の3・4時限目には、「航海計器学実験」を履修している学生がこのシミュレータで、レーダーを使って船から対象物までの距離や角度などを測定しました。学生たちは、「これまで、航海計器学1と2の座学で、レーダーやコンパスなどの基本的な操作方法は学んできました。4年次生になると実際に望星丸に乗船しての実習が始まるので、本物の海に出る前にこうして本格的な訓練ができるのはとてもためになります」「14画面で見る映像はとても本格的で、本番に近い練習ができているのではないかと思います」と語りました。