政治経済学部経営学科に、今年度からアルマズヤッド・オスマン講師が着任しました。ファミリー企業のマネジメントが専門で、「マーケティング入門」や「ゼミナール」の授業などを担当しています。
サウジアラビア王国出身のオスマン講師は、2007年度に国費留学生として日本に留学し、09年度に本学政治経済学部経営学科に入学。卒業時には経営学科長賞・政治経済学部長賞を受賞するなど輝かしい成績を修めました。その後は慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科に進学し、サウジアラビアのファミリー企業の事例比較研究をする傍ら、15年度から一般財団法人国際石油・ガス協力機関の中東・北アフリカ地域担当マネジャーとして湾岸諸国を担当しました。18年度から3年間、日本経済大学経営学部の専任講師として教鞭を執るとともに、サウジアラビアのシンクタンクであるファイサル国王財団・研究センターでフェローなども務めました。また、日本とサウジアラビア両国への造詣の深さから、ジェトロ主催の「日・サウジ・ビジョン2030 ビジネスフォーラム」でサルマン国王の通訳も担当しました。
オスマン講師は本学での学びを振り返り、「総合大学としてさまざまな領域を横断的に学べる環境は稀であり、本学の大きな強みだと思います。特に副専攻はそうした学びを手助けする制度であり、私自身、経営学科で学びながら教養学部芸術学科デザイン学課程や国際教育センター日本語教育法の副専攻を取得したことで物事の本質を多種多様な視点から見極めるようになったと感じています。また、学生たちには海外研修航海や国際フェア、外国人留学生による日本語スピーチコンテストなど本学ならではの取り組みにぜひ積極的に挑戦して、実り多い大学生生活を送ってほしい」と語ります。
また、担当する授業においては、「教科書通り、経営学を暗記するのではなく、理論の意義と限界はもちろんのこと、著しく変化する経営環境を乗り越え、経営学を“生きた普遍的な学問”として活用するための方法なども学びながら実生活においてどう役に立てられるのかといった理解を深めてもらいたい」と話します。学生たちに向けて、「実践と理論を結びつける場が大学です。知識として学んで終わりではなく、既存の知識を批判的に吟味しながら発展させる必要があります。そのために必要なツールである『クリティカルシンキング』というアカデミックスキルを身につけてもらい、生まれた成果は学術的な領域をこえる地域社会の発展につなげられるような授業を考えています。皆さんには積極的な発言を求め、斬新なアイデアを一緒に考えて行動に移して変化が起こせるアウトカムのある授業展開ができればと考えています」と語りました。