観光学部の佐藤雅明准教授が日本自動車技術会「ITS標準化活動功労者」として表彰されました

観光学部の佐藤雅明准教授がこのほど、日本自動車技術会から「ITS(高度道路交通システム)標準化活動功労者」として表彰されました。公益社団法人自動車技術会は、自動車に関わる研究者や技術者らで構成される日本最大規模の工学系学術団体で、自動車関連規格の制定にも取り組んでいます。この表彰は、標準化活動や規格類の質的な向上に対する顕著な業績をたたえ、さらなる支援と標準化活動の重要性認識の増進を目的とするものです。10月13日に東京・麹町で開催された第112回 ITS 標準化委員会で贈呈式が行われ、2023年度は佐藤准教授をはじめ4名が受賞者しました。歴代の受賞者は自動車業界・関連企業の技術者・研究者が多く、大学の研究者が受賞されることは稀です。

佐藤准教授の専門は情報ネットワーク、インターネット移動体通信、ヒューマンインターフェースやインタラクションデザインで、自動車とインターネット技術の融合といった観点から長年にわたりITSの研究に取り組んできました。今回の受賞は、20年以上にわたるISO/TC204/WG16の国際専門家としての標準化活動における6件のISO規格制定・改正、国際標準化会議への出席や他国からの提案に対する積極的な協力・貢献が評価されたものです。

佐藤准教授は、「20年前は携帯電話といえばフィーチャー・フォンで、スマートフォンでのインターネット利用の先駆けといえるアイ・モードも開始されたばかりでした。自動車が携帯電話を使ってインターネットに常時つながる時代の標準をつくるという提案に、海外のエキスパートたちからは“日本はそんな世界が本当に来ると考えているのか?”とよく聞かれたものでした」と、活動に携わり始めた当時を振り返ります。「今ではインターネットとつながるクルマ、コネクテッドカーは当たり前になりました。一方、まだ技術的制約も多く、よりいっそうの利便性の向上が必要です。“人と道路と車をつなぐ”という部分、さらには他のモノともつながっていく部分で、私の専門領域であるインターネットや移動体通信の研究が貢献できると思います。この表彰を機に、気持ちを新たにさらなる国際標準の活動に貢献できれば」と今後の抱負を語っています。