教育研究上の目的・人材像

経済学科の教育上の理念・目標

経済学科は、グローバル化で複雑化し、かつ目まぐるしく多方面に素早く変化する現代の経済現象の基になっている根本的な原理とは何かを理論的および実証的に解明することを志向している。この教育理念の下、社会で求められる状況判断と意思決定の能力と密接に関係する、経済現象の仕組みや因果関係を理論的に解明できる力(理論的に考える力)、経済現象について資料を集め科学的に分析できる力(実証分析する力)、経済問題を多面的に検討して政策提言できる力(政策提言する力)を備えた人材を養成することを教育目標としている。

経済学科の教育指導方針

教育指導方針のキーワードは、「知」の拡大、「知」の深化、「知」の変革・高揚である。講義では、経済および経済学の「知識(知ること)」をひろめることが中心となる。演習では、講義でひろめた「知識」を、さらに「認識(気づくこと)」にまで深めていき、「意識(考えること)」の変革と高揚に導いていく。その結果の集大成が卒業論文であると位置づけている。学生参集を基本とする講義を横糸に、学生主体・学生参画を基本とする演習を縦糸として組み合わせて、「覚える」ことを中心に展開されてきた高等学校までの教育から、「考え・行動する」ことができる人材を育成する教育指導へと転換していく。

経済学を学ぶことで身に付く能力

社会において求められる能力に、「状況判断能力」と「意思決定能力」がある。的確に「状況判断・把握」ができれば、「何が問題」で、問題解決のためには「何ができるか」、「何をすべきか」ということについてのいくつかの解決策が出てくる。その中からどれかを「選択する」ことになる。「選択する」ことを「意思決定」という。経済学は、「選択の科学」ともいわれ、経済学を学ぶことは合理的な状況判断能力と的確な意思決定能力を高めることにつながる。

経済学を学ぶにあたって

経済学というと、数学や難しい専門用語を使って、専門家にしか分からない理屈をこね回しているだけの学問と受け取られがちである。しかし、経済学は、経済社会で活躍するために必要となる状況判断と意思決定の能力を高める学問であることは実証済みである。

経済学は、「社会科学の女王」と称されるように、社会科学分野の中では最も自然科学に近く、その構造は非常に体系的である。したがって、単に専門科目を脈絡なく履修しても、経済学を理解することはできない。基礎的な専門科目から徐々に上級の専門科目へと、ピラミッドを積み上げていくように科目を履修していくことが望まれる。“単位修得が容易である” ことを科目選択の基準として、“つまみ食い” 的に専門科目を履修しても経済学の理解と状況判断・意思決定能力の開発につながらないばかりでなく、結果的に卒業単位の充足も困難になる。この点に留意した上で、科目履修することを薦める。

経済学科が養成しようとする人材

経済学科では、経済学の学修により培われる合理的な判断力をもとに、的確な意思決定ができる人材を養成することを目指している。つまり、我々は単に専門的知識を教えるだけでなく、経済学を通じた個人の能力開発、特に「状況判断と意思決定」の能力開発をより重要だと考えている。そのため、体系的な理論の学習と具体的な事例の調査・研究を積み重ねていくことにより、経済の実情を把握し、理論の有用性を理解する中で、この能力が開発されるカリキュラムを組んでいる。

経済学科では、一人でも多く高度な「状況判断・意思決定」能力を身に付けた人材を養成し、自分の可能性を発見し、希望と自信を持った学生を社会に送り出すことを目指している。卒業生が、様々な経済現象や問題に対して広く鋭い目を持ち、“冷静かつ批判的” に現行の経済状況と政策を分析し、“温かい心” を持って新たな政策提言ができる人材として社会で活躍することを望んでいる。

このような人材を養成するために、経済学科では、以下のようなゆるやかな3つの分野制を導入し、「経済学科で育成する力・スキル」と連携した教育を行っている。

  1. 1.経済理論分野

    様々な経済現象について、その仕組みや因果関係を理論的に解明していくことに重点を置く

  2. 2.経済政策分野

    様々な経済現象について、その仕組みや因果関係を数量モデル化したり、歴史的・制度的側面に焦点をあてたりすることによって、実証的に把握し分析する

  3. 3.実証経済分野

    様々な経済問題に対する現実の政策的対応を取り上げ、その背後にある政策立案過程における政治的な側面も考慮するなどして、多角的な視点から経済政策を批判的に分析し、社会的に望ましい政策のあり方について考える

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