政治経済学部の教育研究上の目的、養成する人材像

政治、経済、経営を結んだ社会のダイナミックな分析と理解

今日、社会の様々な分野において、従来の枠組みを超える大きな転換が起こっている。こうした現代社会のダイナミズムを解明し、理解するには政治、経済、経営の三分野の知識を豊富にし、分析方法を洗練させて、その根底にある原理を理解することが必要となる。

政治経済学部の教育目標は、本学の建学の理念である「ヒューマニズム」に立脚して、社会を「政治」、「経済」、「経営」の三つの側面からダイナミックに分析し、しかもそれらの有機的連携の中で理解することを通して、現代社会の構造と運営に関する知識と能力を身に付け、わが国および国際社会の一層の発展と向上に寄与しうる、創造性豊かで自己開発能力を備えた積極型人材を養成することにある。

社会科学の問題意識と自然科学の発想の統合

現代社会のダイナミズムを解明する際には、社会科学の問題意識と自然科学の発想の統合を図ることが有効である。そのためには、なによりも現実に鋭い批判の目を向け、問題を発見することであり、データを重視した数量的分析を試みると共に、厳密に定義された概念を用いて体系的な理論構築を目指す努力をすることである。これによって、本学部が目指すのは、人間と社会と自然との調和を念頭に置いた、より現代的、より科学的な社会科学の確立と教育である。

専門性の修得と幅広い視野の育成

より科学的な社会科学の確立と教育とは、現実の社会と乖離した、理論のための理論を組みたて、それを教育することではもちろんなく、現実社会の問題を冷静な視点で探り出し、それらを解決する方法を確立し、修得させることを意味する。なによりもまず、学部を構成する三つの学科において、それぞれの専門性を身に付けることである。同時に、この三学科の学問的内容も、相互に関わりあい、影響しあいながら発展して来たのであるから、その観点から、互いの専門科目を履修するならば視点を変えて問題を見つめることができるようになるであろうし、それらを統合した見方をすることもできよう。本学特有の「副専攻制度」によって、当学部内の他の学科や他の学部・学科の専門科目も体系的に履修するなら、いっそう幅広い視野を持って社会に巣立つことができるであろう。

地球時代への対応

現在の社会にとって世界はあらゆる意味で狭くなり、人間は一つのグローブの上に生きていることを益々実感させられるようになった。一国の政治判断は国際社会に瞬時に大きな影響を与えるし、経済の変動は自国にとどまらず、各国の政策当局や企業人の世界的規模での対応を迫る。したがって、われわれは飢餓、病気、環境、テロなどに対して、地球規模で対処することになる。この場面に参加し、真に活躍できるためには、まず様々な分野における基礎的な学力を養わねばならない。

地球時代の共通語としての英語の理解力、応用能力は必須であるが、本学部では必修の英語の他に、中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、コリア語などの学修を薦めている。外国語と並ぶ基礎能力の一つは情報処理能力であるが、これまた本学部では、いまだコンピュータの普及していない学部創設時より、情報処理教育の重要性に着目して、カリキュラムに組み込んでおり、学部生全員にパーソナル・コンピュータを配布して、情報処理手法を身に付けさせることをしている。

さらにグローバルな環境下で自己を実現するためには、現代文明を支える世界の歴史、文化に対する知識と深い理解が必要であろう。「現代文明論」を初めとする現代教養科目によって、その理解を深める。こうして自分の身近な政治・経済・経営の問題から世界のそれへ、すなわちローカルな視点からグローバルな視野や対応へと広げられる力を養うことも、また本学部の目指すところである。

政治経済学部が養成しようとする人材

上で述べたように、本学部においては、専門知識の修得をまず持って心がけることは当然であるが、同時に社会人としての基礎を築き、その後の人生に希望と自信を持って臨めるようになることを学生諸君に要請している。本学部では、大学の在学期間を、社会にしっかりと直面し、一人の社会人として適応できるだけでなく、さらに進んで新しい社会を創生する力や精神(本学部ではこれを「社会力」と言い表わしている)をもてる人材となるための基礎作りの期間と位置づけている。そのために、これからの学生生活で、つねに社会を意識した学び方を心がけると共に、自己のよって立つ世界観・歴史観をも確立できるように努力する必要がある。社会の大きな変化や前例のない事態に対して、単なる知識の披露では対処できない。科学や技術の進展に伴い、それをしっかりとコントロールできる確たる倫理観・道徳観を持った人間でなければならない。本学部の卒業生は、本学建学の精神たるヒューマニズムに立脚し、自分を肯定的に受け止め、自らの頭で考え、判断・選択したことに自信を持って、それを表明できる人間であって欲しい。「冷静な頭脳と温かい心」に立脚し、「社会力」をもった人材として学生諸君を世に送り出す教育を実践したい。

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