教育研究上の目的・人材像

政治学科の教育方針

現代政治は、経済をはじめとして、社会各領域の動きと密接に連動しているだけでなく、世界各国の政治と分かち難く複雑に結びついて展開されている。また、グローバリゼーション・情報化・少子高齢化の進展や地球環境問題などの新たな政治課題に直面している。さらに地方の政治においても、直接に外国の市民や自治体と交流したり、協力・連携する動きが活発化している。

本学科は、このよう時代の要請と近未来の政治社会状況を睨みつつ、3コース制により学生の目的意識を育みながら、(1)政治、地方行政、および国際政治等について幅広く深い知識と理解を有し、(2)市民の視点から、地域社会から国際社会まで、政治のダイナミズムを解明する能力を備え、(3)社会発展のために貢献できる「社会人力」を身につけた男女を、社会に送り出すことを目指している。

具体的には本学科の教育方針は、以下の8つの柱から成り立っている。

  1. 1.少人数教育―教育効果を上げるために本学科が開設以来採り入れてきたものであり、政治学入門1・2、政治学演習A・B、卒業研究A・B等の科目がそうである。これらの科目では、担当教員は、そのクラスの指導教員として学生へのきめ細かな教育・生活指導の必要性に応える。
  2. 2.情報処理教育―情報処理1・2を少人数クラスの科目として設け、社会科学系科目に必要なコンピュータ・スキルの習得にとどまらず、高度情報化社会のさらなる進展を見すえた情報リテラシー教育の充実を図る。
  3. 3.現代政治の理解に対応する教育―複雑な現代の政治現象の仕組みや因果関係を理論的に理解する能力を身につけさせる。そのため、政治学原論、政治過程論、政治とリーダーシップ、西洋政治思想史、日本政治史、比較政治学等のはば広い授業科目を設け、他大学に例を見ない充実したカリキュラム編成となっている。
  4. 4.地方自治・新時代に対応する教育―地方で活躍する人材を養成するために、地方自治、都市政策、地方財政、NPOと市民活動等、地方行政の勉学に必須の多くの授業科目が配列されている。とりわけ、全国の大学に先駆け、自治体インターンシップ、NPO・NGOインターンシップなどの科目を設置し、実地体験により地方行政を学ぶことに力点をおいたカリキュラム編成となっている。
  5. 5.グローバル社会に対応する教育―グローバリゼーションの時代に応えるために、国際的に広い視野をもつ人材の育成に重きを置く。そのために、国際政治学、国際政治経済論、国際組織政治論、平和研究、NGOと国際協力等の国際政治関連の授業科目を設けている。それぞれの授業科目では、冷戦終結以降の国際社会のダイナミックな変容状況を理論的に理解する力の育成をはかり、コンテンポラリーなイシューの分析と課題解決に取り組むための柔軟な思考力の成長をうながしている。
  6. 6.学際的教育の重視―本学科が目指す「科学的政治学の探究」には、政治学の専門領域だけでなく、隣接の社会科学および自然科学などの手助けも必要である。そのために経済学科および経営学科に開講されている科目を配置し、政府・市場・組織に関する現象を、多面的に理解する能力を身につけ、さらには、他学部等の開講科目も自由に選択することで、学際的な知見および知的関心を育むことを可能にしている。
  7. 7.デモクラシーと人権の理念を基本においた教育―人権尊重の理念のもとで、地方自治やデモクラシーの理論を広く教授し、政治参加の意義について認識を深めさせる教育を行う。
  8. 8.社会のニーズと課題に対応する教育―現実の世界に起こっている政治現象と政治理論とを関連づける教育にも努める。少人数で編成する演習では、ボランティア活動やシンポジウムへの参加、政治参加もしくは行政組織体での実習なども採り入れて、「現実の世界と理論とを有機的に結びつけて考える力」「自ら課題を設定し、解決に取り組む力」を身につけることができるよう、指導を行う。

政治学科の教育目標

政治学科は、1966年、『21世紀を開く』をスローガンに開設され当時最先端の行動科学的政治学を学生に教授することにより、学生が政治現象について新しい視点から見ることができる目を養わせることを目指した。加えて、他大学に先駆けて、少人数クラスによる指導の徹底を図ると同時に、情報社会の到来に備えてコンピュータ科目を導入した。また、学生の幅広い知識の習得のため、政治経済学部内の経済学科および経営学科に配列されている一定の科目を共通に履修できるようにした。これは学問の学際化傾向に対応した措置でもあった。

1974年には「地方の時代」を先取りして、地方行政課程を開設し、政治学科は、政治学課程と地方行政課程に改組し、時代の要請に応えていくことにした。

また、国際化の時代に備えて、国際政治の理解に役立つ多くの科目を配列すると同時に、語学教育にも力を入れてきた。

この間、公務員になる者あり、マスコミに行く者あり、一般企業に勤める者あり、外国に出る者ありというように、社会に多くの人材を送り出し、本学科出身の学生はもちろんのこと、彼らを輩出した本学科自体も高い評価を得てきた。

1997年導入のセメスター制を契機に、政治学科は、これまで培ってきた伝統を堅持しつつも、21世紀におけるグローバリゼーション・情報化・少子高齢化を視野に入れると同時に、環境や人権等、現代の政治課題に対応できるよう課程制をコース制に改組した。2010年には、各授業科目において育成を目ざす力・スキルとして、「理論的に考える力」「現状を分析する力」「問題解決策を提案する力」からなる3つの基準を示し、カリキュラム全体の体系化を進めた。

政治学科が養成しようとする人材

政治学科は、現代文明についての深い歴史的、思想的認識に立って、新しい社会科学の一分野としての科学的な政治学のさらなる発展を目指すと同時に、市民の視点から、地域社会から国際社会まで、政治のダイナミズムを総合的に解明することを特色としている。そのために、ゆるやかなコース制、すなわち「政治基礎コース」、「地方行政コース」、および「国際政治コース」の3コースを設けて人材を養成する。

a)政治基礎コース

政治基礎コースは、政治学各分野の理論および関連諸科学についての基礎知識をあますところなく学ばせ、複雑な内外の政治現象を客観的かつ多面的に分析し、創意をもって現実社会の諸問題に取り組み解決をはかる態度と能力を身につけた人材の養成を教育目標とする。

b)地方行政コース

地方行政コースは、主として地方の政治と行政について理論と実際と制度の諸側面を応くかつ深く学ばせることによって、「論理的思考力」「現状分析力」「問題解決に向けた提案力」のいずれも兼ね備えた地方自治・行政のスペシャリストを養成することを教育目標とする。

c)国際政治コース

国際政治コースは、主として国際問題の基礎知識を理論と現実の両面から学ばせることによって、21世紀のグローバル社会に対応できる人間の養成を教育目標とする。

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