農学部応用動物科学科を目指す皆さまに向けて、先輩・卒業生からのメッセージです。彼ら、彼女らの具体的な想いや経験談を聞いて、これからの大学生活を思い描くヒントにしてみてください。
2020年度卒業
江草 なな子さん
共同研究や研修で培った技術や経験を牛の飼育管理に役立てる
実家の畜産業を手伝う中でウシに興味をもち、現在は「家畜管理学研究室」に所属してウシの白血病の発生を防ぐための研究を県の家畜保健所と協働で行っています。私は、ウシの血液から白血球を抽出した後、白血球のDNAを取り出す担当をしていますが、家畜保健所で解析していただくDNAの解析精度を高めるため、無傷のDNAであることが要求されます。そのため、今は正確な作業を確実に積み重ねることで技術を磨いている最中です。また、昨夏、女性のみで運営されている鹿児島県の牧場で、インターンシップを経験しました。肉牛の価値を高める飼育方法や、画期的な運営の仕組み、実際の働き方を学ぶとともに、女性社長のウシに対する愛情や仕事への情熱に感銘を受け、畜産業で仕事がしたいという思いがさらに強くなりました。また、「みずあかり※」運営委員にボランティアで参加し、幅広い世代の方と交流したことで視野が広がり、成長につながったと思います。※「竹」「火」「水」「ろうそく」といった熊本の資源を生かした灯りの祭典です。
実習地が近い恵まれた環境でブタの受精率向上について研究
農業高校で酪農について学んでいた私は、畜産分野の学びをさらに深めたいという思いから、畜産が盛んな熊本県にある本学科に進学しました。現在は「動物繁殖学研究室」に所属し、環境温度がブタの精子に及ぼす影響を調査し、低温に弱いブタの精子の凍結保存を可能にする技術を探求しています。本学科は実習フィールドが近くにあるため、動物たちと触れ合う機会が多く、恵まれた環境にあります。本研究室には動物好きな仲間が集まっているので、実習中はみんないきいきとしていて、仲間とともに学ぶことの楽しさを実感しています。今後はブタの卵子についても調査・研究し、受精率を向上させる要因を探りたいと思います。また、北海道にある他大学での研修や、熊本県の農業研究センターにある畜産研究所でのインターンシップを経験し、現場で働く皆さんの仕事に対する真摯な姿勢に触れました。これらの経験を通し、動物の生命に携わる者の衿持を学ぶことができました。一方、1年次から所属する「阿蘇援農コミュニティープロジェクト(チャレンジセンター)」では、阿蘇地域でアスパラガスを育てている農家さんを訪問し、収穫の手伝いをさせていただきました。畜産農家さんでは、ニワトリのと殺の現場を見学する機会があり、命の頂みを実感する貴重な経験をできたことに感謝しています。今後は日本農業技術検定l級や農業簿記検定にも挑戦したいです。
2020年度卒業
五十嵐 香月さん
のんほいパーク 豊橋総合動植物公園
八代 梓さん
大学院 2014年度修了
研究やサークルでの学びをもとに動物の魅力を伝える飼育員に
入庁してすぐは、「なかよし牧場」というコーナーでラマ、アヒル、ケヅメリクガメの飼育を担当し、動物の魅力やふれあう楽しさを来園者の方に伝える仕事をしていました。また、ヒツジやミニブタ、アヒル、カピバラの飼育も担当し、現在はスマトラオランウータンと爬虫類の飼育に携わっています。在学中は、大学が協定を交わしている熊本市動植物園で霊長類の行動に関する研究を行いました。1年次には「あにまるれすきゅープロジェクト(チャレンジセンター)」を立ち上げ、子どもたちへの動物愛護活動や迷子札の普及活動を行いました。研究室やプロジェクト活動などで培った、プレゼンテーション力やコミュニケーション能力は現在の職場で大いに役立っています。大学では、苦手な科目にも積極的に取り組み、夢を諦めずじっくり勉学に励んでください。
大学での学びと経験を生かし黒毛和種の遺伝的多様性を守りたい
当場では肉用牛と豚の育種改良を行っており、肉用牛では遺伝的多様性を確保することを目的に、全国から育種素材を集め育成しています。私は現在、生後4~9ヶ月の牛が一日に摂取する飼料の量や発育状況、肉質の調査をする仕事に携わっています。在学時は、動物栄養学や動物衛生学などの知識の習得をはじめ、牧場や動物園などで実習を行うことで動物について幅広い学びを深めました。また、研究室では熊本市動植物園内の池に生息するカメ類の生態について研究しました。仕事に不可欠なコミュニケーション力は、学生会に所属し、さまざまなイベントを運営する中で、磨くことができました。将来は家畜繁殖学など、学んだ内容を生かせる分野にも挑戦し、仕事の幅を広げたいです。農家さんと確かな信頼関係を築けるように責任感をもって仕事と対峙し、畜産業に貢献したいです。
独立行政法人家畜改良センター宮崎牧場
横山 百合菜さん
2018年度卒業