教養学部人間環境学科自然環境課程が6月4日、「人間環境研究会オープンセミナー」を湘南キャンパスの松前記念館で開催しました。この催しは、将来のキャ リア支援や多様な業界について視野を広げることを目的に、入門ゼミの一環としてシリーズで実施しているものです。3回目となった今回は社会教育講座とし て、千葉市動物公園企画広報班の高橋宏之氏が「動物園のお仕事の話」をテーマに講演し、1年次生を中心とした学生や教職員、一般の方など約200名が聴講 しました。
高橋氏は動物園の飼育係としての経験をもとに、動物園内の動物科学館やこども動物園、家畜の原種ゾーンなどの施設や内容を紹介した後、動物園での実際の仕 事や学習施設としての役割などについて説明。講演の合間には、レッサーパンダ体操やカンガルー体操を紹介するアニメ映像を見ながら、動物体操によるアク ティブ・ラーニング(体操による動物行動学の学習)を行いました。高橋氏は、「動物園は動物や地域の自然との触れ合いの場を提供するだけでなく、飼育係が 中心となって情操教育や保全教育を行う場ともなります。動物と人間の関係を伝え、知ってもらうことで、意識やライフスタイルを変えるきっかけにして、さら には地域とのかかわりを深め、環境教育や福祉分野にもつなげていければと考えています」と述べました。
講演後は、「保護と保全の違いについて」「人工保育と自然復帰との関係」などについて熱心な質疑応答が行われました。参加した学生からは、「何げなく見て いた動物も、この講演で見方が変わったので、これからは共生していく仲間として接していきたいと思います」「動物園の仕事は思っていた以上に幅広いことに 驚きました。夏休みには動物園に足を運んでみたいと思います」といった感想が寄せられました。
企画した岩本泰准教授は、「この講演は大学における学習活動の意欲やキャリア意識の向上を目的として企画しました。動物園はエンターテイメント施設だけで なく、環境保全ともかかわりが深いことを理解してもらえればと思います。自然環境課程では今年から学芸員課程資格が取得できるようになったので卒業後の進 路の1つにもなります。興味がある人はぜひ動物園に出かけて飼育係の仕事について学習を深めてほしいと思います」と話しています。