武藤教授が「消えゆくさかな―世界の漁業への科学者からの警鐘」を翻訳しました

海洋学部水産学科生物生産学専攻の武藤文人教授がこのほど、『消えゆくさかな―世界の漁業への科学者からの警鐘』(ダニエル・ポーリー著、発行:東海大学出版部)を翻訳しました。ダニエル・ポーリー氏は世界的に活躍する海洋生物学者で、『ダーウィンフィッシュ―ダーウィンの魚たちA-Z』(発行:東海大学出版会)の翻訳出版に携わった武藤教授が、本書の翻訳を提案し、実現したものです。

本書は、以前にポーリー氏が新聞紙面で発表したエッセイに加えて、2017年に執筆したエピローグと2つのエッセイ、今回の日本語版出版に当たって加筆した新たな1章で構成されています。「小規模漁業の主な傾向」や「漁業管理を様々な場で実践する」、「誰のための漁業管理?」のほか、「東南アジアでの混獲の利用」「地球規模の地域社会主導の漁獲データベース」といった世界的な視点、「公共政策論争における学問」など政治的な視点と、幅広い分野から漁業を読み解いています。武藤教授は、「漁業に対して真剣に取り組んできた彼のさまざまな意見がまとまっています。ポーリー氏は英語圏ではよく知られた人物ですが、日本での認知度はまだ低いのが現状です。私は、本書の原本を読んだ際に“彼の考えをもっと多くの人に知ってほしい”と考え、翻訳本の発行を提案しました。授業でも教科書として使用するので、学生たちには日本の漁業に対する考え方を違う視点から見るきっかけにしてもらいたい」と語りました。