海洋学部博物館「博物館実習2」の授業を開講しました

海洋学部博物館(海洋科学博物館・自然史博物館/館長=秋山信彦教授)で7月30日から8月15日まで、海洋学部の4年次生を対象とした「博物館実習2」を開講しました。この授業は、博物館資料の収集、保管(育成)、調査研究、展示などを担当する学芸員資格の取得に向けた専門課程における必修授業の一つです。本博物館では1979年から主に海洋学部の学生を中心として学芸員を目指す学生の実習を受け入れていますが、昨年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、現場での実習はすべて中止していました。今年度は新型コロナ対策を徹底して博物館施設を活用した実習を開講。全8コース約60名が履修しました。

各コースでそれぞれ計6日間実施した実習は、博物館の学芸員資格を持つ職員と清水教養教育センターの木山克彦講師、渡辺友美講師が担当。学生たちは博物館の概要をはじめ学芸員の仕事、新型コロナ対策といった基本的な事項、解説パネル、来館者の動向調査方法など展示に関する講義を受講しました。さらに数名のグループに分かれて実際に博物館内に展示するパネルの作成に取り組み、実際の手順に従ってコンセプトづくりからデザイン、資料集め、作成と学生たちが主体となってつくり上げていきました。来館者が目にするとあって、学生たちの作業にも熱が入り凝ったデザインのパネルを短期間で作成するなど、指導陣を驚かせるグループも見られました。また、来館者がどのようにパネルを読み、それが人の流れにどのように影響しているかといった動向調査も実施したほか、コースによっては博物館の学芸員による指導で釣りによる展示生物採集や展示生物の育成(エサづくりと給餌)など、実際の業務にかかわる多様なプログラムに取り組みました。

今年度から清水キャンパスに着任した渡辺講師は、「新型コロナの影響でオンライン授業が続く中、学生も我々教員も新鮮な気持ちで対面による実習に臨むことができたと感じています。学生たちは皆、まじめに、一生懸命に課題に向き合ってくれました。実習を通して現場の空気感や厳しさ、責任感を持ちながら業務に向き合う姿勢を学んでくれたと思います」と話しています。