熊本大学と連携してシンポジウムを開催しました

東海大学では2月1日に、熊本大学との共同による「東海大学・熊本大学連携シンポジウム」を熊本市の熊本大学病院で開催しました。両大学は、教育・研究の一層の充実と国際・地域社会の発展、人材育成に寄与することを目的として、2022年1月に包括的連携協定を締結。これを機に双方の医学部長らが訪問し合うなど、医学分野における連携・共同研究の推進を目指して交流を図っています。シンポジウムはその具現化に向けて、両大学の研究の紹介を目的として実施したものです。本学からは、森正樹副学長(医系担当)・医学部長、病院本部の飯田政弘本部長、医学部付属病院の渡辺雅彦病院長、熊本キャンパス・阿蘇くまもと臨空キャンパスにある総合農学研究所の荒木朋洋教授(学長付)をはじめ、医学部や農学部の教職員が出席。オンラインも併用し、両大学の研究者や大学院生、学生ら多数が聴講しました。

初めに、熊本大の尾池雄一医学部長が、「多様な分野で情報を共有し、両大学の発展を目指したいと考えています。このシンポジウムを通じて、まずはサイエンスの分野における共同研究が生まれることを期待しています」とあいさつ。森医学部長は、「熊本大学の薬学部、本学の農学部とも共同で医学研究を進め、将来は人事面でも交流を図るなど、互いの存在価値を高められる連携へと発展できるよう願っています」と述べました。

続いて、基礎医学系の研究者2名と臨床研究系の研究者2名が講演。基礎医学系では、まず尾池学部長が「健康寿命延伸を目指す老化研究」をテーマに、老化を促進する慢性炎症に関与するタンパク質「アンジオポエチン様因子2」の働きや、その制御による加齢性疾患の予防・改善に関する研究成果について解説しました。本学の中川草准教授は、「“ポストコロナ”時代におけるワンヘルスのためのメタゲノム研究」と題して、多様な環境や生物に存在するウイルスをメタゲノム解析によって素早く同定できるシステムの開発と、その活用事例を紹介しました。

臨床医学系では、熊本大の坂上拓郎教授が「抗腫瘍効果を発揮する酪酸菌の免疫学的作用機序の解明」をテーマに、酪酸菌が腸内細菌叢を改善し、がんの治療薬である免疫チェックポイント阻害剤の効果を増強させるといった研究成果を紹介。本学の後藤信一講師は、「多次元医療情報を活用した診断補助技術の開発~人工知能の可能性と限界~」と題して、心電図と心エコーのデータをAIに深層学習させて開発した、心電図から心房中隔欠損症などの疾患を高精度に診断できるモデルについて説明しました。各講演後には、活発な質疑応答や意見交換を行いました。

最後に、熊本大の馬場秀夫副学長(同大学病院長)が、「医師の働き方改革が進められる中、互いが持つコンテンツの共有により、さらに質の高い研究や教育を効率的に展開できると考えます。東海大と熊本大のさらなる連携強化と発展を期待しています」と閉会の言葉を述べました。

※当日のプログラムは以下のとおりです。
【司会進行】
澤 智裕(熊本大学大学院生命科学研究部副研究部長)
【開会あいさつ】
尾池雄一(熊本大学大学院生命科学研究部長、医学部長/分子遺伝学講座教授)
森 正樹(東海大学副学長・医系担当、医学部長)
【講演】
1.尾池雄一
 「健康寿命延伸を目指す老化研究」
2.中川 草(東海大学医学部医学科基礎医学系分子生命科学領域准教授)
 「“ポストコロナ”時代におけるワンヘルスのためのメタゲノム研究」
3.坂上拓郎(熊本大学病院副病院長/大学院生命科学研究部呼吸器内科学講座教授)
 「抗腫瘍効果を発揮する酪酸菌の免疫学的作用機序の解明」
4.後藤信一(東海大学医学部医学科総合診療学系総合内科学領域講師)
 「多次元医療情報を活用した診断補助技術の開発~人工知能の可能性と限界~」
【閉会あいさつ】
馬場秀夫(熊本大学副学長、病院長)