保健福祉学専攻(修士課程)

人口の高齢化と少子化、家族形態の変化、グローバライゼーションによる人の移動や経済の急速な変化がもたらす社会の多様性など、今日、日本社会が直面している問題は多岐にわたっている。このような諸問題に対応するために保健福祉学専攻修士課程では、社会福祉、保健、医療を統合した学際的な研究の遂行、専門職としての理論と技術を統合し実践の場に活かせる実践家の養成、また高等教育における対人援助専門職者養成を担う教育者の育成を目指している。

保健・福祉・医療の統合

保健、福祉、医療の各領域は、その歴史と各領域の専門教育が異なるゆえに、それぞれの視点、援助観、用いる用語も異なっている。しかし、保健、福祉、医療を統合するという視点は、現代日本社会にあって、利用者の多様化複合化されたニーズに応えるためのチームアプローチにおいて必要でありかつ重要である。これらの視点を背景に保健福祉学専攻においては、まず何よりも今日の社会の多様なニーズに対応するため、保健、福祉、医療の各領域を架橋し、従来の専門性の枠を乗り越え統合することのできる援助観、ものの見方・考え方を身につけ、思考するだけでなく行動することのできる実践の力を持った人材の育成を目指している。

臨床研究

保健・医療・福祉を統合する視野は、単に保健、医療、福祉を並列に置き、それらを折衷することからは生まれない。利用者の困難、ニーズ、状況を生命・生活・人生の各次元において構造化しつつ、保健、福祉、医療の各領域から多面的に援助を構成していくことが必要である。保健福祉学専攻では、現場の体験を批判的に捉え返す臨床的アプローチを学生が身につけることを目標としている。

実践の力

分析と統合を経て得られた知識と技術は、援助実践の場で実際の利用者に対して活用されなければ意味がない。専門職としての実践力とは何か、どのように実践しその結果をどのように科学的に検証するのか。これらのことを学生自身が対人援助の臨床の場で体得できることを目指し、多様な臨床フィールドを用意している。

保健福祉学専攻が養成しようとする人材

  1. (1)従来の専門性の枠を乗り越え、それを統合できる援助観、実践力をもった人材の育成
  2. (2)現場実践を基盤にその体験を批判的に捉えなおす臨床研究的アプローチを身につけ、かつさらなる実践を推進できる人材
  3. (3)高等教育機関における教育要員、対人援助専門職への教育・研修要員の育成

本専攻のカリキュラムは、上記教育目標を達成するため、基礎から専門研究分野まで系統的に履修できるよう次のような特色あるシステムを構成している。

  1. (1)各分野の研究方法、研究目的などを俯瞰できる基礎科目群の設定
  2. (2)研究計画から修士論文執筆まで、秋・春・秋と3つのセメスターを通したゼミナールでの一貫した段階的修士論文指導
  3. (3)所属の研究指導教員のほかに、サブ指導教員を学生自身が2名まで選択でき、研究遂行の必要に応じて自由に指導を仰ぐことのできるリサーチコミッティ制の実施