教養学部の教育研究上の目的、養成する人材像

東海大学教養学部の理念は、「人間とは何か」を探究するために、人間科学系の学部として旧来の人文・社会・自然科学という枠組みを超えた学際的な教育・研究を推進することである。したがって人間環境と資源、文化と創造、グローバル化と情報化など、21世紀の社会が立ち向かわなければならない問題のほとんどが、東海大学教養学部のテーマである。

教育目標

教養学部は英文名をSCHOOL OF HUMANITIES AND CULTURE と称する。

人類発生以来の文化の集積である現代社会は、科学の急速な進展や政治経済の変革など、激動の過程の中にあり、ややもすれば、人間性そのものが方向性を失って、その中に埋没されかねない状態である。

教養学部は、このような近代社会の高度な発展と複雑化に対し、既存の学部では対応しきれない現実を踏まえ、旧来の人文・社会・自然科学という研究分野の枠組みを越えた学際的教育・研究を推進する学部として設立された。

本学部の教育の目的は、学部共通科目群を中心とした「広い視野で総合的な判断力を有する均衡の取れた文理融合型の人材育成」であり、研究上の目的は、専門的に分化した学問を新しい観点から総合することである。そして、この目的を達成するために、学部の核となる「人間学」を設置し、2009年度よりはSOHUM プログラムを導入している。

「SOHUMプログラム」について

教養学部は学部創立以来、上述のような文理融合型の人材育成を教育目標としてきたが、変化の激しい21世紀の社会に対応できる人材を育成するために、2009年度より新しい学部共通の教育プログラムとして「SOHUM(ソヒューム)プログラム」を導入した。“SOHUM(ソヒューム)” とは、ソーシャル・ヒューマンウェアの略であり、この意味を『社会的な広い視野と自身の専門を生かした視点を併せ持ち、状況を理解して社会の変化に柔軟に対応し、問題解決に向けて自らの社会的役割を自覚し行動できる能力』と定義して、「SOHUM プログラム」がめざす人材育成目標としている。「SOHUM プログラム」は、教養学部の学生たちが専門能力を活かして協働しながら、それぞれが役割を担い社会的な課題を解決する行動力を磨く教育プログラムであり、社会を形成している基盤や仕組み、また自らの技能や知識といったハードとソフトを動かすヒューマンウェア(=社会的役割を担う力)を、一人ひとりが身につけることを目標としている。

教育方針

教養学部では設置基準の精神を生かして、セミナー形式の科目に力を入れ、実験・実習並びに卒業研究を軸とした徹底した個人指導に多くの時間をかけているのが特色であり、新時代に向かって新しい視野をもった専門家養成を教育の目的としている。

東海大学教養学部は、学部の設置基準に示されている学部の目的・性格および教育方針を充分考慮し、次に示すような特色をもっている。

(1)学部では三学科共通の核として「SOHUM(ソヒューム)プログラム」を導入して、特色ある教育を行う。

「SOHUM プログラム」は、教養学部の全学生の必修科目『現代文明論2』『人間学1』と、選択科目『人間学2』を合わせた学部共通科目、また学科課程が独自に開講する選択科目を対象に推奨する『SOHUM領域科目』、そしてSOHUMプログラムの要となり、学科課程を越えた複数教員が担当する実践的教育プログラム(プロジェクト)の3つの要素を連携させて推進される。このプログラムは、成績評価基準が明示されて常に学生個々に自己評価ができる「SOHUMカルテ」を活用することで、ラーニングアウトカム型の教育プログラムとして4段階(ステップ1~4)の達成目標に従い計画されている。

  • ステップ1(理論的導入部)

    必修科目『現代文明論2』を核とした「広い視野と状況理解」の獲得

  • ステップ2(動機付け)

    必修科目『人間学1』と選択科目『SOHUM 領域科目』の履修による「柔らかな発想と思考」の獲得

  • ステップ3(主体的実践の展開)

    選択科目『人間学2』『SOHUM 領域科目』の履修とプロジェクトヘの参加による「自立と役割」の獲得

  • ステップ4(主体的実践の発展)

    『 ゼミナール』や『卒業研究』を含む『SOHUM 領域科目』の履修と、本プログラムの集大成となるプロジェクトヘの参加による「行動と達成」の獲得

(2)現代文明論を中心とした教育

本学教育の基本理念と特色を明確化させるために、本学教育の中心軸として積極的に位置づける。

(3)心身共に健全な人間教育

  1. 1.学習意欲や学習効果を向上させるため少人数による手造り教育を徹底化させる。
  2. 2.指導教員によるきめ細かな指導を行う。
  3. 3.課外活動への参加を積極的に進めるよう指導する。

(4)情報化に対応する教育

基礎教育、専門教育では全ての学生に機器を使った情報処理を経験させるようにカリキュラムを構成している。

(5)国際性豊かな視野を持った人材の育成

  1. 1.外国語能力や表現力を向上させるために外国語系科目を重視している。
  2. 2.本学の海外施設を利用した語学教育やゼミナール活動を積極的に行う。
  3. 3.単位の振替や認定および履修方法を工夫することによって、留学しやすい条件を整えている。

(6)その他(1)~(5)の項目以外に教育方針として追加するもの

  1. 1.学内外で行われる演奏会・展覧会を通して研究成果を発表する。
  2. 2.卒業研究の要旨集を作成する。

教養学部が養成しようとする人材

教養学部が養成しようとする人材は、『社会的な広い視野と自身の専門を生かした視点を併せ持ち、状況を理解して社会の変化に柔軟に対応し、問題解決に向けて自らの社会的役割を自覚し行動できる能力』という「SOHUM」の能力を備えた人材である。

また、21世紀に入り、高度な物質文明に潜む裏腹な現実的問題を端的に示す人間環境、文化創造、国際関係ということが、そのまま学科構成になっていることに注目して欲しい。つまり、そこには人間と現代という二つのキーワードがあり、人間を取り巻く環境、人間の内面の表現としての創造、そして地球上の多様な人間と地域という各々の専門性を支柱にして、以下に掲げる項目に表す総合学際的な視点で現代の問題を発見し、行動して解決できる人材を養成しようとしている。

  1. 1.物理、化学、生物といった自然科学的な視点から環境問題を探り、それらを受け止める人間の内面と社会を視野に入れ、今何ができるかを考え、行動できる人材。
  2. 2.産業ビジネス、福祉などの社会科学的な視点から環境問題を探り、それらを受け止める人間の内面と技術力を視野に入れ、今何ができるかを考え、行動できる人材。
  3. 3.音楽、美術、デザインという芸術創造分野の専門性を深め、現代生活における意義と貢献という観点から、今何ができるかを考え、行動できる人材。
  4. 4.国際関係における平和、協力、文化という各観点から問題点を探り、現実に即した実地への視点を欠かさず、今何ができるかを考え、行動できる人材。

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