人間環境オープンセミナー「古今東西環境教育―青年海外協力隊の挑戦―」を開催しました

教養学部人間環境学科自然環境課程では、5月10日に湘南キャンパスで人間環境オープンセミナー「古今東西環境教育―青年海外協力隊の挑戦―」を開催しました。大学院人間環境学研究科との共催でFD(Faculty Development/授業改善)研修企画として3回連続で実施しているこのセミナーは、各分野で活躍している方々の話を聞くことで教員の授業の質の向上を図るとともに、学生の視野を広げることを目的としています。今年度1回目となる今回は、独立行政法人国際協力機構(JICA)青年海外協力隊事務局の都築康子氏(環境教育協力隊OG/派遣国:スリランカ)と上野直哉氏(環境教育協力隊OB/派遣国:ソロモン諸島)を講師に招き、学生や教職員、地域住民ら約130名が参加しました。

最初に「JICAのボランティアとは?」と題して、都築さんが「現地の政府や地方自治体、学校へ派遣される青年海外協力隊は、派遣された国の発展に協力すること、お互いを理解し合い共生することなどを目的としています」と説明。上野さんは、「これまで88カ国に5万400名が派遣され、現在も69カ国で2630名が活動しています。120種類以上のボランティアがあり、環境教育やコミュニティー開発などは資格がなくても挑戦できます」と語りました。続いて「比較!日本×スリランカ×ソロモン諸島」として、スリランカとソロモン諸島双方の言語や識字率、面積・人口、気候、宗教、食べ物、服装、交通、暦などについて2人が説明し、会場にいる学生たちも交えて日本と比較しました。

その後、環境教育協力隊としての活動を紹介。ソロモン諸島のギゾ島で活動した上野さんは、「ゴミ収集システムを確立させるために、日本のようにゴミステーションを作るとともに、住民と一緒にリサイクル活動に取り組んだ結果、3000名ほどの町で半年の間に約4000kgを回収して売ることができました」と振り返ります。スリランカに派遣された都築さんは、「まずは子ども会でゴミをリユースするワークショップから始めました。次に分別してリサイクルすることを覚えてもらうために、子どもたちと一緒にポスターやチラシを作って啓発活動をするなどさまざまな企画に取り組みました」と語ります。2人は、「環境教育はいきなり結果が出るものではありません。種をまいて水や肥料をやり、花を咲かせるように、継続して取り組んでいく必要があると思います」と語りました。

参加した学生は、「青年海外協力隊では、環境に関する活動もしていると知って、参加してみたいと思いました」「卒業後の進路を考えていなかったので、参考になりました。やりたいことが決まったら、講師の2人のように一生懸命活動したい」と話していました。

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