政治経済学部経営学科の学生が“aeru school”に参加しました

政治経済学部経営学科のアルマズヤッド・オスマン講師のゼミナールに所属する2年次生が、12月8日に東京都品川区で株式会社和える(aeru)が開催する“aeru school”に参加しました。オスマン講師のゼミナールでは、日本の96.3%を占めるファミリービジネス(家族経営)を主体に事業承継などについて研究しています。今回は、ゼミナール活動の一環で、日本各地の豊かな文化や伝統に触れながら、考える力(哲学する力)を育むプログラム“aeru school”に参加し、伝統文化を体験するとともに伝統産業品に触れ、事業承継の重要性を考えることを目的としたものです。当日は、ゼミナールに所属する2年次生26名が参加しました。

初めに同社マーケティング統括部長の髙橋すみれ氏による解説を受けながら、着物などの型染めに使われる「伊勢型紙」を使った「和紙のはがき染め」を体験。顔彩の重ね塗りや水分量の調整、柄の選択などを工夫して、各々が自由な発想で制作しました。制作後には近くの人と作品を見せ合い、「作品を通して何を表現したか」を発表。作品に込めた自己表現を言語化することで、自らの美的表現の再認識や自己肯定感の向上を計りました。その後は、株式会社和えるの事業拠点である東京「aeru meguro」に移動し、全国各地の伝統産業の職人とともに製作する陶磁器をはじめとする“0歳からの伝統ブランドaeru”の オリジナル商品などを見学。髙橋氏による説明を熱心に聞いた学生からは、「これまで伝統産業品は高価なものというイメージでしたが、製作体験や店舗見学を通して意外と身近な製品だと知りました」「伝統工芸の後継者不足問題は他人事のように考えていましたが、ワークショップに参加したことでひしひしとした危機感がありました。代々続く事業を承継することの重要性をあらためて考えさせられました」などいった声が聞かれました。

髙橋氏は、「日本の伝統工芸・産業の規模が縮小している原因は、認知度が低いためだと言われています。そこで、私たちはまず『知ってもらうこと』を重視し、“0歳からの伝統ブランドaeru”や“aeru school”をはじめとした伝統を次世代につなぐ仕組みづくりに取り組んでいます。学生の方々からaeruの商品が“かわいい”という声が聞かれました。そのような感性を入り口に日本の伝統に興味を持ってもらえたらうれしい」と期待を寄せました。指導にあたるオスマン講師は、「座学で学ぶ理論と実社会にはギャップがあることが多いので、整合性を確認してもらいつつ、日本の伝統産業品の作り手を担う職人が抱える「事業承継問題」の重要性を身をもって認識してもらいたいという思いから今回のワークショップを企画しました。本格的な研究が始まる前の2年次生の段階で、日本の経済のみならず、日本の文化にも膨大な影響を及ぼす事業承継問題の重大さや日本の伝統の素晴らしさを感じてもらえたと思います」と話しました。