教育研究上の目的・人材像

教育方針および教育目標

教育方針

日本史学は、未来に向かって歴史をつくってきた人間の営為に対する共感を基礎としつつ、現代の日本社会もまた、そのような歴史の過程にあることを理解し、よりよい未来の形成を展望する学問です。日本史を学ぶことは、現代社会にあっては、各自が所属する組織や集団について、それを形成してきた先人の営為を尊重すると共に、社会生活の変化に対応して、組織・集団を絶えず変革していく姿勢を育むことにつながります。本専攻では、日本史の教育を通じて、よりよい社会の形成に主体的に関与する人間の養成に努力します。

過去の人間の営為を理解しようとすることは、現代社会において異文化を理解しようとするのと似た側面があります。同じ人間だからといって簡単に理解できるものではありません。過去の人々の記録-文献資料・非文献資料-を、読解・分析する訓練を重ねることで、人間の営為に対する鋭い洞察力や、他者を理解する力が培われます。このように、資料分析の手法を通じて、他者を公正に理解できる、よき社会人の養成につとめます。

技術の進歩を基礎として、事物を認識・伝達する手法が発達し、それにともない情報量が飛躍的に増大しています。歴史学においても、様々な研究手法の開拓と情報機器の活用によって、歴史事象に関する情報量が拡大し、データベースの作成と公開、IT 機器を通じての情報交換や共同研究が進んでいます。こうした新たな研究手法や情報処理技術を積極的に活用し、事物を多角的に分析・表現する能力を育みます。

教育目標

1. 日本史全般についての正確な知識と、バランスのとれた歴史認識を身につけます。

古代から近現代までの日本史の主要な流れを学ぶ「日本史概説」や、各時代の歴史について詳説する時代別通史(「日本古代史講義」など)、各時代の歴史事象により深く踏みこんで解説する時代別特講(「日本古代史特講(政治)」など)によって、日本史についての正確な知識とバランスのとれた歴史認識を身につけ、現代社会を歴史的な流れの中で考察する力を養います。

2. 少人数教育によって、史料の読解力、問題を発見し解決する力、研究発表の能力を高めます。

歴史研究の基礎となる史料読解力を身につけるための授業科目として、時代別講読(「日本古代史講読」など)、時代別演習(「日本古代史基礎演習」「日本古代史演習(政治)」「日本古代史演習(社会)」など)を設け、少人数教育を徹底します。これらの講読・演習科目では、学生の主体的な研究発表と討論を中心とし、問題を発見し解決する力や表現能力を向上させます。このようにして鍛えられた史料読解力、問題を発見し解決する力、表現能力を基礎に、学業の集大成として卒業論文の作成に取り組み、自分自身の歴史像を創造する力を鍛えます。

3. 新たな研究手法を積極的に取り入れます。

文字史料を用いた伝統的な歴史研究の手法に対して、近年、絵画・写真などを用いた新たな研究手法が登場し、研究が活発化してきています。本専攻では、絵画・写真などを活用した研究手法を学ぶ「図像資料演習」、地域史研究で登場してきた研究手法を学ぶ「地域史方法論」「地域史演習」、コンピュータ技術を歴史研究に活用するための「日本史情報処理」などの授業科目を設けて、近年の新しい研究手法を積極的に取り入れます。

4. 幅広い視点を身につけるため、歴史学科共通科目や、他学部他学科の関係科目の履修を勧めます。

歴史学科共通科目の「歴史の見方」「歴史総合講座」により、日本の歴史を世界史との関連で把握する、比較史的な視点を養います。また考古学専攻の原始・古代史や、文明学科の日本思想史、日本文学科の日本文学史、政経学部政治学科の政治史、芸術学科の美術史など、他学部他学科科目の履修により、日本史を把握する多様な視点を学ぶことができます。

5. 学校教員や博物館学芸員の育成に努めます。

中学校社会・高等学校地理歴史の教員や博物館学芸員は、日本史専攻で学んだことをもっとも活かすことのできる分野です。本専攻では、教育実習の事前・事後指導の充実・徹底や、「史料管理学演習」などの授業科目により、学校教員や博物館学芸員の養成に努めます。

日本史専攻が養成しようとする人材

日本史専攻では、史料の分析や卒業論文の執筆などを通じて文章の読解力や論理的思考力を鍛えると共に、過去から現在へいたる歴史の流れを正しく理解することにより、長期的な視点で現代社会を分析する力を養います。そして現代社会がかかえる様々な問題を、未来を見通しながら解決していく意欲を持った人間を養成することを目標としています。

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