教育研究上の目的・人材像

教育方針と教育目標

教育目標

皆さんの中には、歴史は人名や年号、事件などを覚える暗記科目である、と考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、大学での歴史の学習では、「なぜ」という理由や原因を考えることがもっと重要になります。現代に生きる私たちが過去の人たちに問いかけ、史料を通じて事実を確かめ、原因を究明すること、それが歴史学の目的です。

西洋史は、ヨーロッパとその関連地域からなる広範で多様な西洋世界を対象とする歴史の一分野です。西洋世界は古代・中世に育まれた豊かな文化的伝統と近代における経済的・政治的発展によって国際的に重要な役割を果たしてきましたし、その重要性は基本的に現代でも変わりません。西洋史専攻では、西洋の歴史の中で最も重要な位置を占めるイギリス・ドイツ・フランスの西欧3カ国を中心に据える一方、西洋世界の基礎を築いた前近代の地中海世界にも力点を置いて西洋世界の歴史を学びます。そのために、少人数のゼミナール授業の重視、ヨーロッパでの実地研修、外国語学習の充実、さらに総合大学としての利点を生かして西洋世界に関連する他学部・他学科の開講科目や副専攻科目の履修を推奨するなど、本専攻独自のカリキュラムを用意しています。

このように西洋世界を歴史的視点から多角的に学ぶことによって幅広い知識を習得すると共に、思考力や判断力を養い、異文化の特質を正しく理解し、教育や文化をはじめ、様々な分野で国際的にも活躍できる優れた人材を社会に送り出すことが西洋史専攻の教育目標です。

この教育目標を実現させるために、西洋史専攻では以下の教育方針に基づいて教育活動を展開しています。

教育方針

1.西欧(イギリス・ドイツ・フランス)と地中海世界を特色とする西洋史教育

西洋史専攻では、専任および非常勤からなる10数名の教員が広範で多様な西洋世界の歴史教育を担当しており、それによって多様な学生の問題関心に対応し、西洋史を幅広くかつ掘り下げて学べるよう努めています。特に西洋世界の中でも重要な役割を果たしてきた西欧と地中海世界に力点を置き、これらの国家や地域を科目名とする講義とゼミナールを開講し、各国・地域毎に複数の教員が担当するなど、教育内容の充実が図られています。

また、地域・国家史以外に政治・社会・民衆・文化といったテーマ史も開講されており、テーマ史による通時的・共時的アプローチを取り込むことで、地域・国家の次元を超えた西洋史の多彩な諸相に迫ります。

2.現代世界とその中での日本の役割を「歴史」の視点から学ぶ

西洋史専攻では、現代世界の位置付けをより良く理解するために「西洋近代史」、「西洋現代史」の講義科目を置き、さらに各国史の中でも近現代史関係の講義やゼミナールを多く開講しています。これに加えて、日本史・東洋史・考古学専攻との共同開講講義「歴史総合講座」と「歴史の見方」を設け、西洋史を日本史・東洋史との関連で比較史的観点から学びます。

また、現代世界を理解するために必要な政治学、経済学、国際関係学、哲学・思想、宗教学等の学問領域の科目を他学部・他学科、副専攻科目として積極的に履修することを推奨します。

3.少人数教育によって、批判的思考力と自己表現力を養う

本専攻の教育目標に示したように歴史学の目的は、歴史の知識に加えて原因を究明することにあります。そのためには史料を批判的に扱い、的確な判断力を身に付け、歴史的認識を養う必要があります。西洋史専攻では、「西洋史研究入門」に始まる基礎ゼミナールや各地域史・テーマ史ゼミナールにおいて少人数教育を徹底させ、課題と主体的に取り組むことによって批判的思考力を養成し、さらに発表や討論を通じて自己表現力やコミュニケーション能力を向上させます。このようにして培われた能力は、本学全体の教育目標「問題発見・解決型教育」の集大成として具体化される卒業論文の作成において発揮されることになります。

4.外国語能力の向上を目指す

西洋史専攻では、西洋の社会と文化を理解し歴史学習の基礎となる外国語の習得を重視します。英語の他にドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語を学ぶことができます。さらに本専攻独自のドイツ語とフランス語の授業が開講されています。専門科目においてもゼミナール科目では英語文献をはじめドイツ語やフランス語の文献もテキストとして取り上げます。

この他に文学部共通科目のヨーロッパ諸言語の学習やTOEIC(R)受験、さらに外国語教育センターで開講する多彩な外国語科目や副専攻制度を利用した履修等、積極的な語学学習を推奨します。

5.国際人として活動できる人材の育成に努める

西洋史を学ぶ場は大学の教室だけではありません。日本を飛び出して異文化社会としてのヨーロッパに直に触れ、その特質を理解することを目的として「ヨーロッパ実地研修」を行います。さらに外国語能力を向上させ、国際感覚を身につけるため、ヨーロッパをはじめとする世界各地の大学で学ぶ東海大学海外派遣留学制度の活用を奨励します。西洋史専攻では、履修モデルに示したように留学プログラムを作成し、留学を支援します。このような積極的な外国語学習と異文化体験を通じて、国際的に活動できる人材の養成に努めます。

6.学校教員や博物館学芸員の育成を目指す

西洋史専攻で学んだことを生かせる職業として中学校社会・高等学校地理歴史の教員や博物館・美術館等の学芸員があります。本専攻では、「教育実習事後指導」や現職の中学・高校教諭による教職セミナーを通して学校教員としての実践力を養い、また「西洋文化史研究」・「西洋文化史ゼミナール」等の科目を開講して博物館学芸員の養成を目指します。

西洋史専攻が養成しようとする人材

西洋史専攻では、西洋史を学ぶことによって培われた知識や思考力に基づいて、異文化の特質を正しく理解し、教育や文化をはじめ、様々な分野で国際的にも活躍できる優れた人材の養成を目指しています。具体的には、以下のような人材の養成に努めています。

  1. 1.少人数教育によって培われた自己表現力やコミュニケーション能力を有する人材を広く社会に輩出します。卒業生が多様な職種、組織において活躍しています。
  2. 2.語学学習や留学体験を通じて養われた外国語コミュニケーション能力を生かして国際人として活躍できる人材を養成します。すでに、欧米やオーストラリアなど世界各地で、教職や企業の専門職に就いている卒業生がいます。
  3. 3.西洋史専攻で学んだことを生かせる専門職である中学校社会・高等学校地理歴史の教員や博物館・美術館等の学芸員を養成します。多くの卒業生がすでに中学・高校はもとより、卒業後も小学校教諭資格を取得して、小学校教諭として教育活動に従事しています。

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