伊勢原キャンパスと医学部付属4病院(付属病院、東京病院、大磯病院、八王子病院)ではこのほど、教職員を対象とした「第14回Good Jobコンテスト」を実施しました。日ごろから取り組んでいる仕事や職場環境の改善策を共有し、業務のさらなる充実や効率化を図ることを目的として毎年行っているものです。サービスの向上や職場環境の改善、コストの削減を目指す「業務・職場環境改善事例部門」には、各診療科の医師をはじめ看護部、診療技術部、薬剤部など多くのセクションから18組がエントリー。11月13日のプレゼンテーション審査を経て、Good Job大賞1件、優秀賞1件、審査員特別賞5件が決定しました。Good Job大賞に輝いたのは、医学部医学科外科学系小児外科学(医学部付属病院)の渡辺稔彦教授と山本裕輝講師、森昌玄助教が取り組んだ、「小児医療における『顔が見える』地域医療連携」です。12月24日に伊勢原キャンパスで、審査委員長を務めた伊勢原校舎・付属病院本部の八木憲司副本部長から渡辺教授に表彰状が手渡されました。
渡辺教授らは、近隣病院から医学部付属病院にご紹介いただく小児患者の情報提供や手術後の結果報告が書類で事務的に行われていることに物足りなさを感じ、未来を担う子どもたちにより充実した医療を提供するためには地域の病院とのさらなる連携が不可欠と考え、2019年5月に「顔が見える小児地域医療連携(カオミエ)」をスタートしました。「カオミエ」は、近隣病院から紹介された子どもの診断や手術方法、術後の経過などについて、渡辺教授らが当該病院に出向き、お互いのチーム同士が一堂に顔を合わせて外科治療の現場の生の情報をフィードバックする意見交換会で、スムーズな患者紹介と転院後のケアに役立ててもらうものです。新型コロナウイルス感染症の拡大により訪問が難しくなってからは、オンラインによる「カオミエWEB」を展開。対面式の「カオミエ」と合わせ、小田原市立病院や平塚市民病院などでこれまでに9回実施しました。
渡辺教授は、「大賞をいただき大変光栄に思います。近隣病院の医師からは、”小さなことでも相談しやすくなった””医師だけでなく看護師も同席し、患者さんの症状や日常生活動作、日常ケアをはじめ、術中の動画や術後の経過を詳細に共有させてもらえるので、安心して帰院する患者さんを受け入れられるようになった””地域の子どもたちにとって、大変有益”といった感想をいただいています。さらに本取り組みをきっかけとして、15年ぶりに臨床研修医の本病院小児外科への入局が決まりました。企画・立ち上げからかかわって軌道に乗せてくれた清水隆弘元助教(2020年3月まで本学医学部所属、現在アメリカに留学中)にも感謝しています。『カオミエ』の活動を継続して近隣病院の医師らとより深い信頼関係を築き、小児外科分野についても神奈川県湘南地域から県西地域における中核的医療機関としての役割を十分に果たせるよう努めたい」と話しています。
また、日々の業務の中で実践している「私のちょっとした工夫部門」には18件の応募があり、書類審査により最優秀賞1件と優秀賞4件が決定。最優秀賞には、八王子病院診療技術部リハビリテーション技術科・久松敏昌さんによる「リハビリテーション総合計画評価料算定の増加・増収の取り組み~働き方改革におけるリハビリテーションセンターのタスクシフト~」が選ばれました。