教育研究上の目的及び養成する人材像
理学部化学科の教育研究上の目的は、大学・学部の教育目的に沿って、化学の基礎から専門までを学び研究することを通して「知識を応用する力」「問題を解決する力」「社会で協調して生きる力」をもった人材を養成することです。
3つのポリシー
1ディプロマ・ポリシー
理学部化学科では、以下の能力を備えたと認められる者に学位「学士(理学)」を授与します。
知識・理解
学んだ化学の知識を、物事に対する観察や洞察へ応用する力を有していること。専門的な内容の日本語や英語の教科書や文献を読んで理解し、得られた知識や理解を自らの行動計画に取り入れていくことができること。
汎用的技能
化学を通して問題を発見し、解決する力を有していること。実験などを通じて種々の技能を身につけ、現実の問題を解決する際に役立てることができること。
態度・志向性
自らの意見をまとめ、相手の意見を聞き、社会で協調して生きる力を有していること。卒業研究を継続して行い、得られた結果を文書などの形式でまとめて発表できる力を有していること。
2カリキュラム・ポリシー
理学部化学科が定めるディプロマ・ポリシーに基づき、以下に示す教育課程を編成し、実施します。
教育課程・学修成果
4年間で、化学全般に渡って基礎から専門までの知識と技術をしっかりと学び、それらを社会で活用することができるようにするカリキュラムにしています。第1・第2セメスターの初年次教育において、4年間で身に付けられる知識と技術がどのようなものであるかを理解すると共に、それらの知識や技術を修得するために必要な基礎学力を身に付けます。第3~第6セメスターでは、講義において理論と知識を、実験において物の見方・考え方・発見することを学びます。第7・第8セメスターの卒業研究は、修得した知識と技術を社会で活用できるように準備する期間となっています。
第1セメスターには、大学の授業の受け方、勉強の仕方など、基本的な大学生活の過ごし方について理解することを目的とした「入門ゼミナールB」を開講しています。第1・第2セメスターには、専門基礎科目として、高校の化学から大学の化学への橋渡し的役割を持つ「基礎化学1・2」、高セメスターで履修する化学の専門分野を学ぶために必要不可欠な「数学概論1・2」、第3セメスターから始まる専門必修科目への導入をスムーズに行うための「基礎分析化学」、「基礎物理化学」、「基礎無機化学」、「基礎有機化学」を開講しています。これらの専門基礎科目の学修が困難な学生に対しては、リメディアル科目として「基礎数学」、「基礎物理A」、「基礎化学A」を開講しています。
第3・第4セメスターに開講している専門必修科目「分析化学1・2」、「物理化学1・2」、「無機化学1・2」、「有機化学1・2」は、第5セメスター以降で開講している専門科目の基礎を成す科目です。第5セメスター以降で開講される専門科目は、化学をより詳細な専門分野に分け、それぞれの専門に特化した内容の授業を行います。また、第3セメスター以降では、数学・物理学・化学の関連性を理解し、幅広い自然科学の知識を身に付けることを目的とした「数理科学概説・物理学概説・化学概説」を学部共通科目として開講しています。これら一連の科目を通して、学んだ化学の知識を、物事に対する観察や洞察へ応用する力を育成します。
第5セメスターに開講している「キャリアアップゼミナール」は、将来社会人になるために必要なキャリアについて 学ぶことを目的としています。キャリアアップに必要な知識や方法やスキルについて、個人個人に指導を行います。また、区分Ⅲの英語科目が第2セメスターまでしか開講されないため、化学の分野でよく使われる英語を中心に学ぶ「English in Chemistry 1・2」を第3及び第4セメスターに開講し、英語に触れる機会を提供しています。
「化学実験」などの専門実験科目は、理論の検証や実証、物の見方や考え方、発見の経験を学ぶために、化学科の重要な科目としてカリキュラムの中心に位置付けられています。実験科目は第1~第6セメスターまでの各セメスターに必修科目として開講しています。グループで実験を行うことにより、自らの意見をまとめ、相手の意見を聞き、社会で協調して生きる力を育成します。また、社会人になるための一歩として、得られた実験結果をレポートとして必ず提出することを義務付けています。
第7・第8セメスターに開講している必修科目の「卒業研究1・2」は、化学科の教育の集大成として位置付けられており、これまでに学んだ知識や技術、物事に対する観察力や洞察力、創造力や思考力などの総合力を十分に活用する実践的な科目です。この科目により、化学を通して問題を発見し、解決する力を育成します。
学修成果の評価方法
本学科のディプロマ・ポリシーに示されている「知識・理解」「汎用的技能」「態度・志向性」に関してルーブリックによる観点別評価、修得単位数・GPAによる分析評価、授業についてのアンケート等を用いた学生による自己評価により、学修成果の評価を行っています。その集計結果は、FD活動等をとおして教育の質向上のためのPDCAサイクルにつなげています。
3アドミッション・ポリシー
求める学生像
理学部化学科の教育目標を理解し、この目標を達成するために自ら学ぶ意欲をもった人材。及び、ディプロマ・ポリシーで求められている能力を、身に付けられると期待できる基礎学力を十分有する人材。
入学者にもとめる知識・技能・思考力・判断力・表現力・態度
(1)知識・技能
英語では、高校での英語の科目の履修を通して英語の文章理解力、表現力、コミュニケーション能力を身につけておくことが望ましいです。
数学では、高校での数学の科目の履修を通して公式や計算方法を理解した上で、それらを応用できる能力を身に着けておくことが望ましいです。
理科では、高校での理科(物理、化学、生物、地学)の科目の中から数科目を選択し、個々の項目の内容を理解していることが望ましいです。
国語及び社会は、理系の学問を学ぶ上で必要な文化的な知識を幅広く理解していることが望ましいです。
(2)思考力・判断力・表現力
化学の知識を学び、物事に対する観察や洞察へ応用する力を養うこと、学んだ化学の理解や知識を基にして社会における問題を発見して解決することが期待できることです。
(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
化学を学ぶことを通じて、自分の考えを基にしながら相手の意見を必要に応じて取り入れて自らの意見をまとめあげること、社会で協調して生きる力を涵養することが期待できることです。