理学部

数学科

教育研究上の目的及び養成する人材像、3つのポリシー

教育研究上の目的及び養成する人材像

理学部数学科の教育研究上の目的は、大学・学部の教育目的に沿って、現代数学の基礎を教授し、「数学に関する基礎的知識、専門性に対応できる基礎力」「数学の最新の研究動向に精通した総合的な判断力」「様々な分野において数学特有の論理的思考法で諸問題に対処できる能力」をもった人材を養成することです。

3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー

理学部数学科では、以下の能力を備えたと認められる者に学位「学士(理学)」を授与します。

知識・理解

数学に関する基礎的知識、専門性に対応できる基礎力を有している。

汎用的技能

数学の最新の研究動向に精通し、数学を含めた科学、さらに理学を含めた文化を理解できる総合的な判断力を有している。

態度・志向性

自由な精神のもとに数学に対する研究心を持ち続け、現代社会の様々な分野において数学特有の論理的思考法で諸問題に対処できる能力を有している。


2カリキュラム・ポリシー

理学部数学科が定めるディプロマ・ポリシーに基づき、以下に示す教育課程を編成し、実施します。

教育課程・学修成果

第1~第4セメスターでは、専門基礎科目を通して数学の基礎を確立するとともに、学部共通科目と融合させて幅広い理学の教養を身につけます。これにより自然科学における数学の位置を理解し、自然にキャリアデザインができるカリキュラムです。そのために講義•演習を通して数学の基礎知識を蓄積し確かな計算力を鍛え、並行して論理的に捉える訓練を重ね、理解したことや新たに発見したことを表現する力が会得できるように構成されています。

第5~第8セメスターでは、それまでに養った幅広い教養や基礎をさらに発展させると共に、現代までに発展した数学の理論体系を学び、その過程において論理的•抽象的思考力や正確に表現する力を育成し、卒業後を意識した学生のキャリアデザインを助けると同時に、卒業研究に向けての準備が整うカリキュラムです。特に第7~第8セメスターの卒業研究は、自分を磨く不断の努力の姿勢を身につけ、幅広い基礎知識に支えられた考える力と問題解決力を生かし、様々な分野で活躍できる人材を育てます。

第1,第2セメスターは、高校数学から大学数学への移行がスムーズに実施できるように「入門ゼミナール」を設定し現代数学への橋渡しと位置付けています。また「微分積分学」、「線形代数学」は現代数学を学ぶための土台であることを意識し、専門性に対応できる能力の育成を始めます。

第2~第4セメスターでは、数学に関する基礎的知識、専門性に対応できる基礎力を養成するため、代数学•幾何学•解析学•統計学分野の「序論」を学びます。序論科目を通して、数学科で学ぶ専門科目がどのようなものかを理解し、その先に学ぶ内容との関連を意識しつつ理解度の定着を図るために、論理的•抽象的な議論および具体例を通した演習を織り交ぜながら展開していきます。

第5,第6セメスターでは、これまでに学んだ数学を最大限に活用して現代数学を学びます。第2~4セメスターで学んだ「序論」を基盤として学生の興味や適性に応じて代数幾何、表現論、位相幾何、微分位相幾何、力学系、微分方程式系、可積分系、確率論、関数解析、統計に関連するテーマの中から自主的に科目を選択し、より深い数学の世界を味わえるよう、科目も多岐に渡り開講しています。そして数学の最新の研究動向に精通し、数学を含めた科学、さらに理学を含めた文化を理解できる総合的な判断力を養成しています。

第7,第8セメスターでは、「数学研究」、「数理科学演習」、さらに洋書で専門を学ぶ科目「SEMINAR」を履修し専門分野をさらに深く学びます。少人数ゼミ形式を採用し、自ら学習し自ら発表し先生や仲間と議論することにより理解を深めていきます。そして自由な精神のもとに数学に対する研究心を持ち続け、現代社会の様々な分野において数学特有の論理的思考法で諸問題に対処できる能力を養成しています。

学修成果の評価方法

本学科のディプロマ・ポリシーに示されている「知識・理解」「汎用的技能」「態度・志向性」に関して、ルーブリックによる観点別評価、修得単位数・GPAによる分析評価、授業についてのアンケート等を用いた学生による自己評価により、学修成果の評価を行っています。その集計結果は、FD活動等をとおして教育の質向上のためのPDCAサイクルにつなげています。


3アドミッション・ポリシー

求める学生像

理学部数学科の教育目標を理解し、この目標を達成するために自ら学ぶ意欲をもった人材。及び、ディプロマ・ポリシーで求められている能力を、身に付けられると期待できる基礎学力を十分有する人材。

入学者に求める知識・技能・思考力・判断力・表現力・態度
(1) 知識・技能

数学については、数学I・数学II・数学III・数学A・数学Bを全て履修していることが必須である。さらにこれらの履修を通して計算方法や証明方法を習得するだけでなくそれらを応用できる能力を身に着けておくことが望ましい。

英語については、高校での英語の科目の履修を通して英語を使った文章読解力、表現力、コミュニケーション能力を 身につけておくことが望ましい。

理科については、「物理基礎・物理」または「化学基礎・化学」または「生物基礎・生物」または「地学基礎・地学」の少なくとも1つを履修しており、自然科学的な知識を幅広く理解していることが望ましい。

国語及び社会については、標準的な知識を幅広く習得していることが望ましい。

(2)思考力・判断力・表現力

代数学・幾何学・解析学・統計学の広範な知識を使い、総合的に思考し判断する能力を身につけることが期待できる素養があること。

(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

数学的な視点から社会や自然の諸問題を考えるだけでなく、様々な価値観や立場・役割を理解し、物事に対して主体的に取り組むことが期待できること。