大学院政治経済学研究科応用経済学専攻2年次生の土屋稀資さんが執筆したビジネスケース(事例研究)が、平塚市産業振興課主催の「平塚市ビジネスケースプロジェクト」において、優れた研究成果の一つに選出されました。同プロジェクトは、東海大学など平塚市内にキャンパスのある大学等の経営学系の学部が協力し、市内企業のケーススタディをとりまとめ、ホームページや冊子などで情報発信を進めている取り組みです。平塚市にとっては、戦略的な施策構築に必要な市内企業のデータ集積および市内にある大学と市内企業との接点づくりが主な目的となっています。一方大学にとっても、大学院生や学部生が企業活動について深く調査し、分析結果も公開することで、本格的な研究を実践できる利点があります。
今回のビジネスケースでは、平塚市内に本社を置く大東化学株式会社を対象に研究。通常、化学系企業の製品は原材料であるがゆえに製品の展開先が限定される傾向にありますが、同社は独自に開発した粒子制御技術によって粒子のサイズを変えることで、さまざまな用途への転用を可能し、「無水酢酸ソーダ(化学名:酢酸ナトリウム(無水))」の分野で国内トップレベルのシェアを持つにいたったことに着目。主力商品である「無水酢酸ソーダ」とその関連製品、新製品を製造する際に、独自技術が果たしている役割を報告しました。
土屋さんは、本学工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻を卒業した後、大学院は本専攻に進学しました。「学部生のころは企業経営についてあまり関心がありませんでしたが、今回のプロジェクトに参加して、企業の方にインタビューし、レポートを書く過程や原稿を確認していただくなかで、自分の理解の度合いを確認することができました。また、実際にビジネスパーソンがどのように考えて仕事をしているのかといったことが理解できるようになり、非常によい経験になりました」と語っています。
なお土屋さんのビジネスケースは、審査員のコメントとともに平塚市役所のサイトに掲載されています。
http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/sangyo/page-c_01625.html
酢酸ナトリウムのラインナップ
出所:大東化学株式会社ホームページより(「無水酢酸ソーダ」)
http://dcg.co.jp/img/additives/additives_sodium_acetate.pdf