工学部

パイロットへの道

東海大学工学部航空宇宙学科「航空操縦学専攻」は、2006年4月に日本の大学で最初に設置されたプロパイロット養成コースです。留学先である米国ノースダコタ大学内に設置した「東海大学飛行訓練センター」は、2008年6月に「指定航空従事者養成施設(事業用操縦士課程)」に認められました。さらに、2009年2月に日本の大学で初となる「指定航空従事者養成施設(計器飛行証明課程)」の指定を受けたことで、本学の定めた教育課程修了および技能審査合格と同時に、学外機関による実地試験なしでパイロットに必要なライセンスを全て取得できるようになりました。社会のグローバル化・迅速化に応えて、日本の航空業界に求められる役割がますます広がっているなか、優秀なパイロットを養成する新たな道筋として期待される、「航空操縦学専攻」をご紹介します。

大空への最短ルート

航空業界の大きな期待と強力なバックアップを背景に

近年、団塊世代のパイロットが退職期を迎え、優良なパイロットの養成が急務となっています。しかし、これまで航空会社のパイロットになるためには、大学卒業後に航空会社の自社養成を受けるか、4年制大学に2年以上在学したうえで国が設置した航空大学校を卒業する必要があり、長い時間を要しました。そこで、養成機関の裾野を広げることが航空業界全体で検討されていたなか、数多くの優秀な人材を輩出してきた本学工学部航空宇宙学科の実績が認められ、全日本空輸株式会社(ANA)の協力と航空大学校の支援、そして、アメリカのノースダコタ大学航空宇宙学部との留学協定を得て誕生したのが、「航空操縦学専攻」です。本専攻は、これらの強力なバックアップを背景に、本学の建学の精神に基づく幅広い専門教育と人間教育により、確かな技能と豊かな人間性を兼ね備えた、優れたプロパイロットの養成を目指しています。

2・3年次の米国留学を経て、4年間でプロパイロットへ

本専攻では、1年次から4年次の8セメスターで、パイロットになるための教養科目と主専攻科目を学びます。2年次から3年次にかけて15カ月間のノースダコタ大学への留学は必須の課程です。そのため、1年次にはライセンス取得科目と航空英語を含む留学のための英語を集中的に学びます。帰国後は、さらに主専攻科目を学び、卒業研究へと進みます。
全米屈指の教育環境を誇るノースダコタ大学航空宇宙学部への留学は、世界基準の技能を学べるだけでなく、留学生活を通して国際性と英語コミュニケーション能力を養います。また、本学では、主専攻科目の修得はもとより、教養、そして、自発的な問題発見・解決能力を身につけることに力を注ぎ、大学に設置されたパイロット養成コースならではの全人的教育を4年間のプログラムを通して行います。

TOPICS

1期生第2グループ第一陣全員がライセンスを取得して帰国

2007年秋から、米国ノースダコタ大学航空宇宙学部(UND)に留学していた1期生第2グループ第一陣の7人全員が、留学先で、日本と米国の事業用操縦士技能証明、計器飛行証明等の所定の免許を全て取得し帰国しました。2年次~3年次の15カ月間の留学で操縦士ライセンスを取得した学生たちは、今後、湘南キャンパスで卒業まで学び、クルー・リソース・マネジメント(フライトクルーをまとめて、安全で円滑に航行する能力)など、ラインパイロットに求められる航空業界の様々な知識を身に付ける予定です。なおUNDでは2009年2月現在、2期生(35名)が飛行訓練を行っています。

日本の大学初の「指定航空従事者養成施設」に!

ノースダコタ大学の敷地内にある「東海大学飛行訓練センター」が、このほど国土交通大臣より航空従事者指定養成施設制度に基づく「指定航空従事者養成施設(計器飛行証明課程)」として指定されました。同センターは、すでに2008年6月に「指定航空従事者養成施設(事業用操縦士課程)」の指定を受けています。今回、「計器飛行証明課程」でも指定を受けたことから、これまで国土交通省航空局の航空従事者試験官によって行われていた両課程の実地試験の代わりに、今後は東海大学飛行訓練センターの審査員が技能審査を行うことができます。つまり、本学の定めた教育課程を修了すれば、学外機関による実地試験なしでパイロットに必要なライセンスが全て得られることになりました。これは国内の大学としては初めての事例です。

湘南キャンパスにフライト・シミュレーターを導入

2009年3月、湘南キャンパス17号館に米国・フラスカ社製の固定式フライト・シミュレーターを導入しました。これは、第1期生が米国留学時の最終訓練で使用したパイパー社製「セミノール」という小型双発機を正確に模擬しており、キャンパスの施設内でも実地訓練に匹敵するトレーニングを可能にするためのものです。

フライト・シミュレーター

左に機長席、右に副操縦士席があり、同時に2人の訓練ができます。機長席の後方には、教官のコントロールデスクがあり、パソコン操作でいろいろな設定が可能。あらゆる天候や片側エンジンの停止など、悪条件をシミュレーションしたり、視界220度のワイドスクリーンに空港周辺の風景データを映し出すこともできます。
訓練の基本は「クロスカントリー」と呼ばれる3つの地点を結んだ飛行訓練。全世界の主な滑走路のほか、留学先のグランド・フォークス空港および日本の羽田、福島、新潟空港周辺については詳細な風景データが再現できるようになっています。
学生たちはこのフライト・シミュレーターを存分に使い、留学時の実地訓練の感覚を維持しながら、さらなるスキルアップを図ります。

留学中のSTEP

STEP1
ファーストソロ(初単独飛行)

単独飛行する男性
訓練開始約1カ月で単独飛行を経験。

STEP2
ソロクロスカントリー

ノースダコタの上空を一人で飛ぶ男性
広大なノースダコタの上空を一人で飛ぶ訓練。

STEP3
自家用操縦士免許取得

小型飛行機
訓練開始約3カ月で自家用操縦士免許を取得。

STEP4
事業用・計器飛行訓練

操縦席の計器
周囲の景色を見ずに計器だけで操縦する計器飛行や高性能双発機での訓練。

STEP5
日米の事業用操縦士免許(計器飛行証明・多発機限定)取得

ANAの飛行機
FAA(アメリカ)とJCAB(日本)の操縦士免許を取得。
安心の留学生活
ノースダコタ大学のあるグランド・フォークス市は、きわめて治安が良好です。留学中の生活は大学に隣接したアパートで、一人一部屋の寝室を利用できるほか、LDKは共用。同じ志を持った仲間との共同生活は、留学を成し遂げる力を与えてくれます。