教育研究上の目的及び養成する人材像
海洋学部海洋理工学科海洋理工学専攻の教育研究上の目的は、大学・学部の教育目的に沿って、巨大かつ複雑な地球システムおよび気候システムの中核をなす海洋の状態・現象の科学的理解を目指し、人類を含む生物圏のハビタビリティを考慮した海洋技術イノベーションの創出を通して、持続可能な人類社会の構築に貢献する人材を養成することです。
3つのポリシー
1ディプロマ・ポリシー
海洋学部海洋理工学科海洋理工学専攻では、以下の能力を備えたと認められる者に学位「学士(海洋学)」を授与します。
知識・理解
海洋を中核とする地球システム上で生起するさまざまな時空間スケールの諸現象を、物理学・化学・生物学を基礎とする自然科学に関する知識の修得を通して、その成因、進化、時空間構造とその変化を理解できる。海洋開発のための浮体技術、水中技術、計測技術を俯瞰して理解できる。そして、海洋環境と海洋開発の双方に配慮した持続可能なアプローチを理解できる。
技能
海洋・地球の自然科学および工学の専門的知見と多様な方法論の修得を通して、ICTを活用し、情報を収集・分析することができる。また、科学的根拠に基づいてその情報を可視化し、論理的に伝えることができる。
態度・志向性
確固たる自然科学の基礎知識に裏付けられた海洋に関する専門的知見に基づいて、自然現象と人類社会の調和について考察し、さまざまな問題に対してその背景を理解した上で前提を疑い、合理的な根拠に基づいて議論できる。
2カリキュラム・ポリシー
海洋学部海洋理工学科海洋理工学専攻が定めるディプロマ・ポリシーに基づき、以下に示す教育課程を編成し、実施します。
教育課程・学修方法・学修成果
本専攻は、海洋について理学的な視点から教育研究を行う[海洋地球科学]、工学的な視点から教育研究を行う[海洋総合工学]、そして理学的視点と工学的視点を融合して教育研究を行う[環境共生学]の3つの専門学科目群を設置しています。この3つの専門学科目群を通して、本専攻は、海洋の理学と工学を土台にして、自然環境と開発のトレードオフについて深く理解して意思決定する能力を涵養し、持続可能な人類社会を構築することのできる学生を育てることを教育研究上の目的としています。
この目的を達成するために、本専攻では初年次教育の科目として、高校から大学への円滑な移行を図り、大学での学びをサポートする科目である「入門ゼミナールA、B」を、海を知る科目として「海洋学」「海洋実習1」「海洋実習2」を開講します。
専門科目を理解するための[学科共通基礎科目]として、数学、物理学、化学、生物学、地学、情報処理に関する16の選択科目を開講します。
そして、本専攻は、[学科共通基礎科目]を土台とする3つの専門学科目群[海洋地球科学]、[海洋総合工学]、[環境共生学]を用意しています。
専門学科目群[海洋地球科学]では、「地球科学」「分析化学」「生物海洋学」「地球物理学」「海洋気象学」「海洋化学」「数値解析・シミュレーション」といった地球システムの中核をなす海洋を理解するための科目を開講し、海洋・地球システムの成り立ち、進化、構造とその変化のメカニズムを理解することを目的としています。これらの科目のさらなる理解のために、「海洋物理学実験」「海洋化学実験」を開講します。
専門学科目群[海洋総合工学]では、「材料力学」「電気電子工学」「海洋地質学」「海洋資源学」「計測工学」「海洋リモートセンシング工学」「海洋構造工学」「海洋流体工学」といった浮体技術、水中技術、計測技術に関する科目を開講し、適切な海洋開発に資する工学を理解することを目的としています。これらの科目のさらなる理解のために「海洋資源学実験」を開講します。
専門学科目群[環境共生学]では、「環境科学」「海洋共生論」「沿岸開発学」「海洋管理論」「海洋フィールド実習」「沿岸環境学」といった理学的視点と工学的視点の融合を図る科目を開講し、自然環境と海洋開発のトレードオフについて深く理解することを目的としています。これらの科目のさらなる理解のために「海洋フィールド実習」を開講します。
専門知をより高めるために、3つの専門学科目群すべてに共通する科目として[学科共通実践科目]を用意しています。現代の科学および技術を学ぶ、あるいは発信するにあたって英語は極めて重要であるため、「海洋理工学英語A」「海洋理工学英語B」を開講します。座学、実験・演習より得られた知識や技術を学生自らの主体的な取り組みを通じて総合的に理解・活用することを目的として、「海洋実習3」を開講します。
[卒業研究科目]として、6セメスターに「海洋理工学ゼミナール」、7セメスターに「海洋理工学研究1」、8セメスターに「海洋理工学研究2」を開講します。海洋理工学ゼミナールは、1年間の卒業研究を主とする海洋理工学研究1および2の準備科目と位置づけます。「海洋理工学研究1」は卒業研究をする上で必要な文献収集とその理解やデータ収集・解析等に焦点をあてています。「海洋理工学研究2」は、4年間の本専攻での学びの集大成として卒業論文をまとめ、それをプレゼンテーションするための科目です。
学修成果の評価方法
授業科目ごとの学修成果の評価については、科目ごとにあらかじめ学修成果目標と成績評価基準を策定・明示し、それに沿って担当教員が公正かつ厳格な成績評価を行います。
また、学位プログラム単位での学修成果の評価については、海洋理工学科海洋理工学専攻のディプロマ・ポリシーに示されている「知識・理解」「技能」「態度・志向性」に関して、ルーブリックによる観点別評価、修得単位数・GPAによる分析評価、授業についてのアンケート等を用いた学生による自己評価により、学修成果の評価を行っています。その集計結果は、FD活動等をとおして教育の質向上のためのPDCAサイクルにつなげています。
3アドミッション・ポリシー
求める学生像
海洋学部海洋理工学科海洋理工学専攻は、海洋を中核とする地球システムで生起するさまざまな自然現象を対象とし、そのメカニズムなどを探求します。また、人類を含む生物圏のハビタビリティを考慮した海洋開発を通して、持続可能な人類社会の構築に貢献したいと考えています。
したがって、このような本専攻の教育目標を理解し、この目標を達成するために自ら学ぶ意欲を持った人の入学を期待しています。そして、ディプロマ・ポリシーで求められている能力を身に付けられると期待できる学力を有する人を幅広く受け入れます。
入学者にもとめる知識・技能・思考力・判断力・表現力・態度
(1)知識・技能
理科では、高校での理科(物理、化学、生物、地学)の科目の中から数科目を選択し、個々の項目の内容を理解していることが望ましいです。
数学では、高校での数学の科目の履修を通して公式や計算方法を理解した上で、それらを応用できる能力を身につけておくことが望ましいです。
英語では、高校での英語の科目の履修を通じて、文章理解力、表現力、コミュニケーション能力を身に付けておくことが望ましいです。
とりわけ国語は、論理的な思考の源泉ですので極めて重要です。
(2)思考力・判断力・表現力
海洋に関する諸問題は、理学的ものであれ、工学的なものであれ、極めて複雑でかつ広範囲なものです。したがって、経験や理論に根ざした「知識」を総動員してじっくりと思考し、合理的な根拠に基づいて論理的に判断することが求められます。しかし、このような思考・判断は一朝一夕に身につくものではありません。本専攻は、このような思考・判断ができるようになりたいと考える人を広く受け入れます。
(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
海洋理工学専攻は、海洋に関する理学・工学を学ぶ専攻です。海洋に関する理学・工学は自然と人間の関わりを学ぶという側面が極めて大きいです。言い換えれば、社会からその有用性が強く求められているということです。社会からの有用性とは、まさに「高い市民性」=多様な人々と共同して学ぶ態度にほかなりません。この高い市民性もまた、一朝一夕に身につくものではありません。本専攻は、このような市民性を身につけたいと考える人を広く受け入れます。