教育研究上の目的及び養成する人材像
海洋学部航海工学科海洋機械工学専攻の教育研究上の目的は、大学・学部の教育目的に沿って、海上輸送を担う造船技術の開発、海洋エネルギー利用技術の開発、海洋資源や海洋空間利用技術の開発に必要な、新しい海洋機械システムを「つくり」、「利用する」ための基礎学力を身につけ、倫理観、責任感と実践力をもって、広く社会に貢献できる技術者を育成することを目標としています。海洋分野の学術を通して夢のある持続可能な社会の実現を目指し、国際競争力を有する付加価値の高い「ものつくり」に携わりながら、幅広い視野を持って社会を支える人材を養成することです。
3つのポリシー
1ディプロマ・ポリシー
海洋学部航海工学科海洋機械工学専攻では、以下の能力を備えたと認められる者に学位「学士(海洋学)」を授与します。
知識・理解
海洋の環境(自然現象、気象、海象など)を理解し、海洋を利用するための様々な機械システムを「つくり」、「利用する」ための基礎的な知識を有する。
汎用的技能
海洋分野におけるロボット、船舶、海洋システムの開発に必要な基礎技術の修得を通して、ものつくりに関わる種々の事象について科学的に分析、理解、表現することができる力を有する。
態度・志向性
環境にやさしく、持続可能な社会の発展に必要なものつくりに携わる者に必要な倫理観、責任感、協調性を持って行動にうつすことができる。
2カリキュラム・ポリシー
海洋学部航海工学科海洋機械工学専攻が定めるディプロマ・ポリシーに基づき、以下に示す教育課程を編成し、実施します。
教育課程・学修成果
まず、海洋分野での「ものつくり」に携わる技術者として必要な基礎素養を身に付けるために、専門基礎科目や専門共通科目に「線形代数1・2」「微分積分1・2」「基礎微分方程式」「力学入門」「基礎電磁気学」「物理学実験」「基礎工業力学」「フーリエ解析」など数学、物理学に関する各科目や、「材料力学」「水力学」「基礎熱力学」「機械力学」「電子工学」「機械製図・CAD」などの科目を配置しています。
次に、海洋分野におけるロボット、船舶、海洋システムの開発に必要な基礎技術を身につけるために、専門科目では「機械・ロボット工学」系および「船舶海洋・資源エネルギー工学科目」系の2つの学修体系を設けています。「機械・ロボット工学科目」系では、工学技術者として幅広い知識を習得するために「流体力学」「構造力学」などの機械工学系科目や、ロボット開発技術に繋がる「C言語プログラミング」「ロボット工学」などの科目を配置しています。「船舶海洋・資源エネルギー工学」系では、「船舶算法」「船体運動学」「船体抵抗・推進」「船体構造工学」「船舶工作法」など船舶工学系科目を、また「海洋開発工学」「港湾工学概論」「海洋資源・エネルギー工学1・2」など海洋開発、海洋資源エネルギー工学系科目を設けました。これらの科目を通し汎用的技能である、ものつくりに関わる種々の事象について科学的に分析、理解する力を養っていきます。
また、態度・志向性として、ものつくりに携わる者に必要な倫理観、責任感、協調性をもって行動する力を習得するために、初年次教育科目での少人数による「航海工学入門ゼミナール」や専門科目の「船舶工作法」「海洋開発工学」「海洋実習3」などで、各技術分野に必要な社会に対する倫理、責任について具体的な実例に基づいて能動的に学びます。
さらに総合科目として、6、7セメスタでは各指導教員の研究室でテーマを決めて課題に取り組む「海洋機械工学ゼミナール1・2」、最終の8セメスタでは課題を卒業研究として取りまとめる「海洋機械工学研究」を必修科目として配置しています。こうしたカリキュラムを通して、ものつくりに関する専門知識、汎用的技能である科学的技能、責任感と協調性をもって、持続可能な社会の実現を目指し社会を支えていく力を習得していきます。
学修成果の評価方法
航海工学科海洋機械工学専攻のディプロマ・ポリシーに示されている「知識・理解」「汎用的技能」「態度・志向性」に関して、修得単位数・GPAによる分析評価、授業についてのアンケート等を用いた学生による自己評価により、学修成果の評価を行っています。その集計結果は、FD活動等をとおして教育の質向上のためのPDCAサイクルにつなげています。
3アドミッションポリシー
求める学生像
海洋学部航海工学科海洋機械工学専攻の教育目標を理解し、この目標を達成するために自ら学ぶ意欲をもった人材。及び、ディプロマ・ポリシーで求められている能力を、身に付けられると期待できる基礎学力を十分有する人材。
入学者にもとめる知識・技能・思考力・判断力・表現力・態度
(1) 知識・技能
英語では、高校での英語の科目の履修を通して英語の文章理解力、表現力、コミュニケーション能力を身につけておくことが望ましい。
数学では、高校での数学の科目の履修を通して公式や計算方法を理解した上で、それらを応用できる能力を身に着けておくことが望ましい。
理科では、高校での理科(物理、化学、生物、地学)の科目の中から数科目を選択し、個々の項目の内容を理解していることが望ましい。
国語及び社会は、理系の学問を学ぶ上で必要な文化的な知識を幅広く理解していることが望ましい。
(2)思考力・判断力・表現力
幅広い視点から総合的に物事を分析、理解でき、さらに応用ができること、及び、それらの発信ができることが、期待できること。
(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
多様な価値観を理解し、環境や持続可能な社会の発展にも興味をもちながら、主体的かつ協調性をもって、学習やものつくりに取り組んでいくことが期待できること。