教育研究上の目的・人材像

学科の教育方針と教育目標

地球温暖化や自然破壊、生物多様性の劣化や海洋汚染、いわゆる環境問題として世間を賑わすものは枚挙にいとまがない。21世紀は環境の時代と呼ばれているが、いまや環境に配慮することが人々の新しい価値判断の基準となっている。そもそも現代社会の環境問題は、経済成長と物質的な豊かさを求め、人間が過度の負荷を環境に与えてきたこと、ならびにその活動を称賛する社会的背景に起因する。このため、環境問題を解決するには科学的な原因究明と技術の進歩に加え、人間の価値観や社会的な評価基準を見直すことが必要である。今後われわれ人類が地球環境と共存・共栄してゆくためには、環境問題の要因と人間活動の関連性に対する深い理解と、問題解決に向けた具体的活動が不可欠である。

環境社会学科では、人類が地球環境と共生していくための様々な具体的な取り組みの目的と手段について学習し、得られた知識を現実の社会で活用できる力を身につけてゆく。講義において社会調査手法や環境ビジネス、エコエネルギーなどの技術動向や生物多様性評価、社会システムや制度について学ぶと共に、海洋学部がある静岡沿岸や沖縄地域研究センターなどフィールドでの実践を通して技術や知識の実証的理解と定着を図る。また地域活性化などの活動と保全活動を関連させることで、将来の活躍分野の開拓につなぐことも視野に入る。

本学科の専門科目カリキュラムは次のように構成されている。まず入学から専門科目への橋渡しをスムーズに行うための専門基礎科目群として、「環境社会学入門ゼミナール」「環境社会概論」の初年次教育科目、環境問題の現状を広く知るための「環境といきもの」「環境とテクノロジー」「環境と社会」「環境と倫理」の学科基礎科目、キャリアデザイン科目などが開講される。次段階の学科専門科目では、環境問題と人間社会の関係に関する深い理解と知識を得るために、「環境と社会」「環境と自然」の2つの学修系が設置されている。「環境と社会」系では、企業や地域で積極的に環境活動を行う環境リーダーとして必要な実践力を学ぶための環境教育やボランティア活動、国際協力やマネジメントに関する科目、行政やビジネスの場で環境問題に取り組むための知識修得を目的とした環境政策や法規、環境ビジネスに関する科目、および地域やまちづくりの現場で住民参加や合意形成を図るために必要な社会調査に関連した科目などが用意されている。「環境と自然」系では、環境問題の本質を科学的に理解するための地球温暖化のメカニズムや環境科学の基礎、および水質浄化やエコエネルギーなど環境問題解決のための技術動向に関する科目を配置している。またサンゴ礁やマングローブ地域の保全・再生などに関する具体性の高い科目を開講すると共に、自然共生型社会実現のためのエコロジカルデザインや景観形成のための演習科目を通して、各科目で修得した知識や技術の体系的活用を学ぶ。これら「環境と社会」、「環境と自然」に関わる技術と知識を具体的な環境問題に対して適用するための実践力を養うことを目的として、フィールド学修科目を中心とした総合科目群がある。さらに主専攻発展科目において、社会システムや都市計画などについてより高度な専門的知識の修得が可能である。

みなさんには、「think globally, act locally」を意識しつつ、本学科のカリキュラムを通して複眼的に環境問題を捉えるための知識、問題解決のための技術と実践力の修得・涵養に努めてほしい。

環境社会学科が養成しようとする人材

本学科では、「人、海、社会、環境」をキーワードに、人と自然にやさしく、持続可能で安全安心な社会を考え創ることのできる、幅広い視野を持った人材の育成を目指す。このために、政策や経済など「環境と社会のあり方」、および環境事象を科学的にとらえる「環境と生活を守る知識と技術」の双方を学究の中心に据え、幅広い視野で環境問題を考えられる教養と専門知識、さらに社会の中で率先して環境問題に取り組むことのできる実践力の養成を教育目標としている。

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