教育研究上の目的・人材像

学科の教育方針と教育目標

海洋地球科学科(Department of Marine and Earth Science)は、地球システムの中核となる海を通して人類が直面している地球規模での環境・資源エネルギー問題を解決し、気候変動に関する諸現象を科学的に解明することを目標として、フィールド実験や海洋実習などを含んだ広い分野にまたがる専門教育により地球システムを理解させ、自然との共生を図りつつ海を持続的に利用するための科学的知識と技術および思考方法を修得させることを教育目標としています。

私たちの住む地球は、外側を取り巻く大気(気圏)、表面の海や河川・湖沼などの水(水圏)、陸を構成する地殻と地球内部(地圏)、人間を含む地球に生活する全ての生き物(生物圏・人間圏)の4つの要素から成り立っています。生物圏・人間圏を構成する生き物は各圏からの恵みを受けながら生活すると同時に、各圏に対して少しずつ変化を与えています。「地球」はこの4圏が相互に影響を与えながらバランスを保っている巨大な「システム」です。バランスの崩壊は急激な気候変動や大きな環境変化を引き起こします。例えば、人類(人間圏)による化石燃料(地圏)の利用による大気圏内の二酸化炭素濃度の増加(気圏)は、地球全体の温暖化の原因となって、海水温の上昇や氷床域の消失、海水面の上昇(水圏)などを招き、農作物の不作や漁業生産量の減少(生物圏)に繋がっています。人間が現在から未来に向けて、地球の豊かな恵みを永遠に享受するためには、地球システムを安定に保つことが必要です。そのためには、誕生から46億年の長い地球史の中で展開されてきた地球の変遷を学び、現在の地球の姿を正確に把握し、「地球システム」を体系的に理解して、地球の未来を考えることが必要です。

地球表面の71%を占める海洋は大気と相互に作用しあって地球全体の気候を制御しています。海洋は地球温暖化の原因となる二酸化炭素をはじめ様々な物質を溶かして、大気や海水の急激な成分変化を抑えています。海洋表層の植物プランクトンは光合成により二酸化炭素から有機物や炭酸塩を合成します。これらはやがて海底に堆積し、長い時間をかけて鉱物資源やエネルギー源となっていきます。海洋底は数億年かけて移動し、しばしば火山や地震活動を引き起こしながら、地球表面の形状を劇的に変化させてきました。海洋地球科学科は、この複雑な地球システムを海を通して体系的に理解するために、海洋学と地球科学を根幹として、物理学、化学、生物学、地学を含めた総合科学を教育します。卒業生には学位「海洋学」(Bachelor of Oceanography)が授与されます。

海洋地球科学科が養成しようとする人材

地球環境を総合的に探究できる洞察力を持ち、未来へ向けて、海と人類との調和・共生に取り組むことができる行動力を備えた人材を育成します。卒業後は、環境コンサルタント、環境調査・アセスメント関係企業、或いは資源エネルギー関連の民間企業、環境関係の行政機関へ就職して環境・資源エネルギー関係の専門職に就くことができます。中学・高校の理科教員として教育職を目指す人もいます。大学院へ進学して研究者としての道を進む人も多数います。

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