教育研究上の目的・人材像

航海学専攻の教育方針と教育目標

地球表面の7割を占める海洋は、国際社会にとって文化・科学・経済の交流の場であり、海上貿易・資源生産の重要な場である。特に、四面を海に囲まれている狭い国土に過密な人口を擁し陸上資源に乏しい我が国は、エネルギー資源・工業原材料を海外から輸入し工業製品を海外に輸出するという加工貿易を中心とする経済活動を行ってきた。さらに、近年に至り経済のボーダレス化に伴い国内メーカーの生産拠点の海外シフトが進み、工業製品の逆輸入も増加している。また、中国・インド等の経済新興国がエネルギー資源や食糧の輸入を増加している。このような背景の中で、船舶による国際海上輸送量はリーマンショックによる一時的な低下も見られたが、現在は増加の傾向にあり、我が国の外航海運会社は、日本着発の海上輸送のみならず三国間海上輸送にも積極的に取り組みを進め、船舶運航隻数も増加している。国内においては地球温暖化対策の一環として、陸上トラック輸送から海上船舶輸送に輸送モードを切り替えるモーダルシフトの推進も叫ばれている。このように日本経済にあって重要な役割を占める内外航海運の船舶を運航する船舶職員を継続的に育成することは重要なことである。一方、昨今の海運業界を取り巻く環境の変化に伴い、日本の海運会社が運航する船舶にあっては多国籍の船員が乗り組む混乗船に移行し、日本人船舶職員の役割は、外国人船員の管理業務、船舶管理業務や営業支援業務へと大きく転換している。また、海洋基本法が施行され「海洋立国」の実現に向けての海洋調査・海洋開発が積極的に進められることになり、観測船・探査船の運航職員の育成も重要な課題となっている。さらに、新水先制度の導入に伴い、海事教育機関から直接水先人となる若年海技者の育成が新たに求められている。

本専攻は、大きく転換しつつある海運界、海事関連産業、水先業務などの幅広い分野で対応できる国際感覚豊かな海技従事者の育成を目的としている。

航海工学科航海学専攻が養成しようとする人材

本専攻では、外航海運で活躍できる船長を養成することが主眼であるが、陸上での船舶管理業務や外国人船員の管理監督業務のできる人材、海洋調査船・海洋資源探査船の船長になれる人材、また、港内・湾内・内海等で船舶の安全運航を担う水先人になれる人材、すなわち、海運界にとらわれず、幅広い海事分野に対応できる国際感覚を有する海技従事者を育成する。

航海工学科 航海学専攻へ戻る