教育研究上の目的・人材像

生命化学科の教育方針および教育目標

生命科学の分野は極めて広大で、4年間で学科カリキュラムの専門知識を全て修得しても、ただちに優れた技術者・研究者として活躍するのは不可能である。卒業後の長い経験と自らを開拓する強い意志と独創性が必要である。さらに科学技術を通じて人類・社会に貢献するには、豊富な知識が必要であることはもちろんであるが、自ら問題点を発見し、解決する能力を磨かなければならない。いずれの分野で活躍するにしても基礎知識の修得と実験による理論の体得は重要である。生命化学科は、様々な現象を理解体得すると共に観察力、創造力を養ううえで実験を重視する。

以上のような観点と工学部の教育目標、学科の教育目標を踏まえて本学科の教育方針を示す。

1.現代文明論科目・現代教養科目を重視する。

東海大学の教育の中核となる現代文明論科目は、学生一人ひとりが「思想を培う」ことを目的としており、単に専門知識や技術の修得にとどまらず幅広い複合的視野の獲得を目指す。現代教養科目は、理系の学生が文系的な構想力を身につけることを目的とする。現代の大学で学び社会で活躍するために必要とされる知的水準を維持し、向上を図る基礎教育としての意味を持つものである。また現代教養科目の体育科目を学ぶことにより生涯スポーツの意義、自らの健康管理を体得して欲しい。これらの科目を学び、広い視野と教養を身につけ、建学の精神に基づく健全な思想を養って欲しい。

2.外国語コミュニケーション科目を重視する。

外国語を学ぶのは、その国の言語でその国を知り、その国の人々を知り、文化・歴史・社会・経済を理解するためである。さらに自らを語り、自らの意志を伝え、自らの国の情報を発信して相手との相互理解を深め、国際的視野を広げ真の国際人となるためである。こうした目的が達成できるよう、コミュニケーションを重視する発信型の語学を身につけて欲しい。

3.専門分野の理論と技術を確実に理解し修得することを重視する。

高度に発達した専門分野の知識を修得するために基礎は最も重要である。実際の学習にあたっては、春学期・秋学期に開講されているグレードナンバーの小さい科目から系統的に履修し、専門知識を体系化して欲しい。生命化学科のカリキュラムをどの様に体系化すべきかを示したのが履修プランである。

具体的には、生命現象を化学で理解するための基礎として、入門ゼミ1、2、基礎化学、無機化学、分析化学、物理化学、生物学概論、生化学1を学び、これらの講義科目に対応した実験科目として、基礎化学実験、分析化学実験、生物学実験、生化学実験Aが開講されている。特に入門ゼミ1、2では、高校教育から大学教育への橋渡しを行なうことを目的として少人数(10~20名)形式の授業を実施する。

応用する理論を学ぶために、生化学2~4、生命有機化学1~3が開講されている。実験科目として生化学実験B、C、有機化学実験を学び理論を体得して欲しい。

さらに、生命現象を分子レベルから細胞、生体レベルで応用する理論を学ぶために、機器分析、天然物化学、医薬品工学、食品工学、応用生化学、放射線生物学、薬理学、免疫科学、微生物工学、植物工学が開講されている。

4.ゼミナール・卒業研究などを通じて、社会人としての自覚と人格を重視した教育を進める。

生命化学ゼミナール1~4・卒業研究1~4では、将来を担う技術者・研究者として研究の在り方について学び、担当教員とのディスカッションさらにレポート作成などを通じて技術者・研究者としてのものの見方・考え方の基本を修得し、プレゼンテーション能力を高めさらに継続的、自律的に学習できる生涯学習能力を身につけて欲しい。

5.国際化・多様化した科学技術に柔軟に対応できる人材育成を重視する。

科学英語論文講読1・2、生化学論文講読1・2を学ぶことにより、科学技術英語の読解・記述能力・プレゼンテーション技術の向上を目指して欲しい。また特許戦略、科学と倫理、化学環境工学を学び技術者・研究者として不可欠なスキルとモラルを身につけて欲しい。

6.基礎情報および実験結果のコンピューターによる解析を通して技術者としての最低限のコンピューター知識を身につけて欲しい。

生命化学科が養成しようとする人材

生命科学は、様々な周辺学問領域を統合しながら急速に発展してきた境界領域の学問である。生命体は、複雑で多様で不可逆的である。生命化学科は、この複雑で神秘的でもある生命現象を化学の言葉で理解し、生命科学の世紀に国際的に活躍できる技術者・研究者の育成を目標としている。

化学は物質の科学、すなわち物質の構造、性質および物質群を他の物質群に変化させる反応を取り扱う学問である。20世紀の化学は、自然科学の中でも中心的役割を果たしてきた。現代化学は他の科学との関わりが深く、特に物理学や生物学との関わりから新素材、バイオテクノロジーなど新しい技術の源流となり、その技術の成果が新たな科学を生み、科学と技術は相互に発達を続け、人類に豊かで安定した生活を提供してきた。しかしその反面、自然と環境を損ない、資源やエネルギーの枯渇、人口問題、食糧問題など深刻な経済的・社会的課題を生み出した。これら一つ一つの問題を軽減し、より安全でより豊かな世界を後世に残すために様々な技術の進歩は不可欠である。これらの技術の中でもとくにバイオケミカル・医療・環境・農業・情報などバイオサイエンスに関わる産業が、今世紀の問題解決のかぎを握っていると言っても過言ではない。

全ての工業は将来の不安解消のために全力を挙げて新しい技術開発を続けている。このためにも技術者・研究者は、広い視点から地球を見つめ人類の幸福・福祉とは何かを考え、技術の社会および自然に及ぼす影響・効果を理解し、社会に対する責任を自覚する能力が要求されている。

生命化学科は以上のような観点と東海大学建学の理念および工学部の教育目標と基本方針に基づき、つぎのような人材を養成することを教育目標としている。

  1. 1.国際的に通用する広い視野と教養を身につけ、将来を担う技術者・研究者として自覚と人格を身につけた人材。
  2. 2.優れた個性・創造性を伸ばし、科学・工学の様々な分野で柔軟に対応できる能力と、継続的、自律的に学習できる生涯学習能力を身につけた人材。

生命化学科は、以上のような教育方針・教育目標に基づいて教育活動を展開する。学生の皆さん一人ひとりは東海大学の建学の精神および地球的視野にたって自己の研鑽と積極的な学習を心がけると共に、充実した学生生活を送るよう念願する。

生命化学科卒業の特典

  1. 1.教職に関する科目を履修することにより、中学校・高等学校の理科教諭一種免許状が取得できる。
  2. 2.甲種危険物取り扱い者の受験資格が得られる。
  3. 3.都道府県庁へ申請することにより、毒劇物取り扱い者資格が得られる。
  4. 4.卒業後、1年以上労働衛生の実務に従事した経験をもつと、作業環境測定士の受験資格を得ることができる。

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