教育研究上の目的・人材像

教育方針と教育目標

動力機械技術者として社会に貢献するには専門技術・知識を修得するだけにとどまらず、創造性豊かにして、教養ある人間性の形成が大切である。そのため技術系の学生は理工学専門教育科目の修得に努めると共に、人間の生活全般に係わる基礎教育科目の学習も必要である。また、近年の日進月歩の社会ニーズに対応するためには、自ら問題を提起し、それを解決できるような能力を養い、また、国際的にも通用する視野の広い知性と見識をもった技術者となることが求められている。

本学科のカリキュラムは基盤となる機械工学の基礎を学んだ上で、高度な専門分野として学科の特色である自動車を主として、航空機、鉄道車両など、いろいろな動力・輸送機械に関わる学問・技術を修得していくように構成されている。その専門教科は従来の古典的な機械工学の専門領域以外に、最近発達しつつある境界領域的な分野をも包括する。科学技術の進歩は、学問的知識に基いての思索、およびその実現性を確かめるための実験、この両輪の進行によって支えられていることを深く認識して本学科のカリキュラムは構成されており、機械工学および産業・技術の発展に寄与できる豊かな創造性と開発力を備えた実社会に役立つ人材を育成する。また、本学科の教育プログラムは学部から大学院までの一貫性を重視し、学部教育では専門基礎の完成を目指すことに力点をおいており、大学院においては高度な専門教育を行うことによって、研究や開発能力をさらに伸ばせるカリキュラム構成になっている。

学科全般の教育は、一貫性をもち体系的にいろいろな学問や技術を学べるように考慮されている。科目の編成は、基礎から応用へ、解析から総合へ、理論から実践へ、スキルおよび学科の特色ある科目を系統的に配置し、それらには有機的なつながりを持たせ、段階的な学習効果を図った内容となっている。必修科目数はできるかぎり減らし、選択科目数を多くすると共に、他学部・他学科の科目も履修できるようになっており、学生の資質に合った多様化の教育をさらに推進し、幅広い人材の育成を目指している。特に、他の学部学科に設けられている副専攻科目を20単位修得すれば、自学科の卒業証書以外に、さらにその副専攻も修了したという証明書が発行されることになっている。本学科では教員と学生の直接的なふれあいを重視した教育科目の充実に努めている。学生の勉学意欲の向上、方向付けを行うと共に、学科への関心を高め、専門科目を系統立てて学べるように、学科内の各専門分野科目を配置している。また、教育と研究が相互に関わり合い、これらには深い関係のあることが認識できるように、その基盤である専門教育と基礎教育の充実に努力しながら実効を上げている。

本学科の教育カリキュラムは、セメスター制が導入され、あらゆる科目は、春・秋の各セメスターにおいて完結される。基本的に、基礎学力の充実に力点が置かれ、講義科目の一部は短期集中型教育を行うことによって学習効果を向上させるため、週2回授業の4単位科目の形態を取っている。さらに基礎から応用までの専門科目を学生に提示し、段階的教育を効果的に行えるように各科目にはグレードナンバーが付される。学生は各自の履修計画を立て自主的に履修できるようになっている。各セメスターにおいて履修できる単位数の上限は24単位であり、少数の科目を集中的に学習できるようになっている。また卒業に必要な修得すべき単位数の軽減が図られ、ゆとりのある教育が実践されている。その他、留学生・帰国子女・社会人などを積極的に受け入れ、幅広い人的および学術的交流ができるシステムも導入されている。

本学科の教育方針を具体的に示すと次の通りである。初期のセメスターにおいては本学の建学の精神および思想を表す現代文明論を中核として、幅広い思考方法を与える総合教育科目、国際化に適応するために必要な英語コミュニケーション科目、体躯を養うための体育科目など基礎教育科目を履修する。同時に、基礎専門科目と専門科目の一元化および学生学習歴の多様化に応え、専門科目の修得に必要な専門基礎科目である線形代数、微積分、微分方程式、物理学、物理実験、化学、化学実験などを履修しながら、学科の基礎的な専門科目も学ぶ。

本学科では、産業活動に必要な動力を、いろいろな形態のエネルギーから、いかに効率よく取り出すかというエネルギー変換の基礎とその応用技術を修得することを一つの目標としている。特にその応用技術として自動車を主体とし、航空機や鉄道車両などいろいろな動力・輸送用機械について学習する。学科には、材料力学部門、材料・加工学部門、機械力学部門、メカトロニクス部門、流体工学部門、熱工学部門、動力・輸送機械工学部門、モータースポーツ部門の学科目分野があり、それぞれの部門に優秀な教育・研究スタッフを配することによって、動力機械工学の持つ幅広い学術領域をカバーし、それらに対応した教育カリキュラムが構築されている。特に入学早々の学生に合せてきめの細かい指導を行うために小人数クラスで実施する入門ゼミナールが第1、2セメスターに配置されている。機械工学の基礎専門科目としては、学科の主要基幹科目である機械力学、材料力学、流体力学、熱力学の4科目、およびそれ以外のカーメカニズム、カーマテリアル、車両制御工学、車両システム制御、車両構造力学、カーエアロダイナミックス、機械製作法、機械設計製図、機械要素設計などが用意されている。動力・輸送機械分野とモータースポーツ分野は本学科の目玉であり、その特色を表す科目は、エンジン工学、高速ピストンエンジン、自動車工学、電気自動車基礎、自動車環境工学、カーデザイン、レーシングカー工学、限界走行性能学、レースマネージメント工学などである。そのほかに、基礎学力の総まとめと応用力を養うための動力機械演習がある。教員と学生の触れ合いを重視し、教員との討論を通して興味を引き出すと共に、学んだ知識を深く理解させ、発表力、実践力を育成し得る少人数クラス編成の実験実習、ゼミナール等が取り入れられている。その中で、基礎動力機械実験および動力機械実験には、機械工学の各分野の実験から自動車エンジンの分解、整備実習、エンジン実験、コンピュータ支援設計、一般工作機械およびNC工作機械の実習、ならびに工場見学などが含まれている。スキル科目として機械設計や製図、および実験科目のほか、最近さらに急速な発展を遂げているコンピュータ関連科目として基礎情報処理、プログラミングC、シミュレーション工学などの科目がある。第7および8セメスターには学部教育の集大成として卒業研究1および卒業研究2が配置されている。これは動力機械工学を学ぶ学生に対して、興味ある研究課題を与え、指導教員の直接的な指導により、卒業後実社会につながる工学的技術を模索するための研究方法を修得させると共に創造性豊かなエンジニアの育成を目標とした科目である。卒業研究は研究・開発などに必要な解析的能力の養成を重んじた研究コースとモータスポーツを介して設計・製造に重要な開発総合能力の養成を目指した開発コースとに分けて行われる。学生諸君は自分の資質に合ったコースを選ぶことができる。開発コースでは企業において現在第一線で活躍している専門家も専任教員と共に指導にあたっている。

動力機械工学科が養成しようとする人材

動力機械工学科では「未来の車」などの輸送機械と、そのエネルギー源に関する研究・開発をできるエンジニアの養成を目標とします。省エネルギーかつ環境に優しいエンジン、エコカーや、快適な走りと高い安全性を実現するための未来カーのシステムデザインを通じて、夢膨らむ未来のステージに向けた先進の車を誕生させるための機械工学の力を養います。また、最先端テクノロジーを結集した究極の車づくりとしての「モータースポーツ工学」という新しい学問ステージの中では、国際的なレースへの挑戦や、学生フォーミュラーカーレースに参戦しながら、国内だけでなく海外も活動の場とした教育研究を展開し、国際社会で即戦力となる力を養います。

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